100度超の熱水でも平気! 生命の起源の鍵を握る「超高熱菌」/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

100度超の熱水でも平気! 生命の起源の鍵を握る「超高熱菌」/身近な科学 pixta_21091854_S.jpg前の記事「ヒトの起源は? 細菌たちが共生し合ってできた"合体生物"だった/身近な科学(28)」はこちら。

 

「超好熱(こうねつ)菌」は生命の起源につながる!?
熱湯でも生きられる細菌がいる

2003年、深海底で100度以上の熱水が噴き出る穴の付近でも生きられる細菌が発見されました。このような細菌を超好熱菌と呼びます。

この超好熱菌が注目されている1つ目の理由は、その応用にあります。熱湯でも生きるためには、細胞内のタンパク質が高温に耐えられる必要があります。鶏卵(けいらん)をゆでると固形化しますが、超好熱菌にはそのような変性が起こらないはずです。

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さまざまな有機化合物(ゆうきかごうぶつ)の生成や分解にはタンパク質からつくられる酵素(こうそ)が必要です。そこで、超好熱菌のタンパク質を利用して高温で機能する酵素を開発できれば、新しい有機化合物の開発が可能になると期待されます。

2つ目の理由は、この菌が進化の系統において根元に位置すること。生命は大きく真正(しんせい)細菌、古(こ)細菌、真核(しんかく)生物の3つのドメインに分けられますが、古細菌に分類されるこの菌は、3つのドメインの共通の祖先の特徴も兼ね備えています。超好熱菌を理解すれば生命の起源がわかるかもしれません。

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

動植物、天体から物理、統計学まで。知っておくべき科学の基本や、現代科学を読み解くのに必要な知識について、身近な例を挙げながらやさしく解説! わかりやすい図解(イラスト・写真)つきなので、学生から年配層まで、科学全般の知識が浅い読者でもとっつきやすく、「科学の教養」が身につけられる100項目を提供する内容です。

 

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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