生命の不思議な「好き嫌い」。 選別されるアミノ酸の謎/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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現代に残された〝大いなる謎〟
生命に〝選別〟されるアミノ酸の話

生命を形づくるタンパク質の素となるアミノ酸の骨格をつくるのは炭素です。その炭素は対称に4本の腕を出し、他の原子と結合します。すると、同じ成分、同じ構造を持ちながら、鏡に関して対称な2種のアミノ酸ができることになります。

人工的には、2種のアミノ酸が均等に生成(せいせい)されます。ところが不思議なことに、すべての生命はこれらの一方だけしかつくり出しません。なぜ片方だけ選別されるのか。これは現代に残された大きな謎です。

 

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隕石(いんせき)の中にアミノ酸が含まれることがあります。そこには2種が均等に含まれます。地球の最初の生命はその一方だけを選別し、今の生物に継承していったと考える専門家もいます。

2種のアミノ酸のうち、生命が選択しなかった物質は、生命に拒絶されたり、さらには有毒にさえなったりします。そこで、化学者・野依良治(のよりりょうじ)氏は一方だけをつくる技術を開発し、その功績によって2001年、ノーベル賞を受賞しました。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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