ペンギンはなぜ北極にいないのか/地球の雑学

ペンギンはなぜ北極にいないのか/地球の雑学 pixta_38149478_S.jpg地球はどうやって生まれたのか? 人間の身体の知られざる秘密など、思わずだれかに話したくなる理系のウンチク。本書『人類なら知っておきたい 地球の雑学』で、あなたの雑談を"スケールアップ"させませんか?

◇◇◇

前の記事「オスからメスへ、メスからオスへ性転換する魚がいる!/地球の雑学(60)」はこちら。

 

ペンギンはなぜ北極にいないのか

ペンギンの祖先は、ティラノサウルスなどが活躍していた白亜紀の後期に、今の南極大陸やニュージーランドあたりで生まれた。

当時の地球は暖かく、ペンギンも寒い地域に暮らす鳥ではなかったが、巨大な隕石の衝突により地球の寒冷化が発生。その結果、恐竜は絶滅してしまうが、ペンギンはエサを追って冷たい深海まで潜れるため、寒さにも耐える能力を持っていたことから、気候の大変動を生き延びられたと考えられている。

現在でもペンギンの9割以上は、栄養豊かで生物が多い、南極大陸やその周辺の寒い海に暮らしている。よりすみやすい環境を求めて、長い年月をかけて移動したものもいるが、分布の最北は、赤道直下にありながら周囲に寒流が流れているガラパゴス諸島だ。

ペンギンが赤道を越えて北極まで移動しなかったのは、赤道周辺に流れる暖流がいちばんの要因と推測される。暖流の流れる熱帯の海は栄養分が少ないことから、ペンギンのエサになる生物が少ない。加えて、サメのように手ごわい天敵も数多くいることから、今後も、その生息域を北極まで広げる可能性はほとんどないという。

ちなみに、最初に「ペンギン」と呼ばれていたのは、北極にいたオオウミガラスという鳥である。のちに南極へ行った人たちが、北極のオオウミガラスそっくりの鳥を見つけ、この鳥のこともペンギンと呼ぶようになった。

さらに、元祖ペンギンであるオオウミガラスは、今から150年ほど前に姿を消してしまったことから、現在では南半球だけにペンギンが暮らすようになったのである。

 

次の記事「ゴキブリはオスがいなくても繁殖する!?/地球の雑学(62)」はこちら。

※「地球の雑学」その他の回はこちら

ペンギンはなぜ北極にいないのか/地球の雑学 51dO13z00kL.jpg

人類なら知っておきたい 地球の雑学

(雑学総研/KADOKAWA)

眠れないほど面白い理系ウンチク212! 思わず誰かに話したくなる「理系のウンチク」を集めました。職場で家庭で、日々の「雑談」に役立つ、動植物・天体(太陽系)・人体・天気・元素・科学史など、「理系ジャンルネタ」が存分に楽しめる必読の一冊です!

 
この記事は『人類なら知っておきたい地球の雑学』からの抜粋です。

この記事に関連する「趣味」のキーワード

PAGE TOP