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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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驚異の伝達距離を実現するSOFAR(ソファー)層。
クジラの声は500キロ先に届く
クジラの声が500キロ先にも届くことがわかりました。東京~大阪間に相当する距離を、クジラは生の声で会話できるのです。
この驚異の伝達距離を可能にするのが、SOFAR層と呼ばれる水深約1000メートルを中心とする厚さ数百メートルの層です。
一般的に、水温が下がると分子の動きが鈍くなり、水中を伝わる音速は小さくなります。また、水圧が高くなると海水密度が上がり、音速は大きくなります。
実際の海では、深くなるにつれて太陽光が届かなくなるため温度は下がりますが、深さ1000メートル程度以上になると、太陽光の影響はなくなり、一定の温度に保たれます。しかし、深くなればなるほど水圧は上がります。深さ1000メートル程度の層で音速は最低になるのです。すると、音波はこの層から出ようとすると層の境界で反射されます。こうして、この層に入り込んだ音波は反射しながら遠くに伝わることができるのです。この層がSOFAR層です。
音波が反射されるしくみは、光が光ファイバーの中を反射しながら伝わるのと同じです。光も音波も「波」ですが、波は速さの遅いところから速いところに進もうとすると反射される性質があるのです。
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