趣味で絵を描いてみたい! でも上手に描けなくて続かない...。そんな経験はありませんか? 手軽に始められる絵を趣味にできたら毎日の楽しみが増えそうですよね。そこで、テレビ番組「プレバト!!」(MBS・TBS系)でもおなじみの画家・野村重存先生にスケッチの基礎を解説していただきました。基礎編最終回は、「夫婦道祖神」がモチーフです。
【基礎編】夫婦道祖神
長野県上田市の別所温泉からさらに峠を越えたところに野倉という小さな集落があります。
今回はこの静かな山里にたたずむ道祖神をスケッチしました。
道祖神が数多く残る長野県でも、自然石が丸く彫られた夫婦道祖神は珍しいものです。
年代作者等不詳ながら、古くから大切に守られてきた、穏やかな微笑みを湛える道祖神です。
下絵
【下絵の使い方】
・この印刷の上をなぞるように鉛筆で描きます。はじめはHBくらいの硬さの鉛筆を使い、描き進めながら順次Bや2Bの軟らかめのものを使うとよいでしょう。
・コピーして描いていただいて構いません。
・水彩絵の具や色鉛筆で着色して楽しめます。絵の具で着色する場合はコピーすることをおすすめします。
鉛筆描きの手順
(1)形の輪郭を大まかに描きはじめます。細部にとらわれず薄い直線的な線を少しずつ重ねるように描きます。
(2)構図が決まり、輪郭の形がぼんやり現れてきたら、徐々に顔などの細部の形を描きはじめます。
(3)石の硬い感じを出すために、直線的なタッチで刻むように描いていき、影の暗さも描き足しながら立体感を表しはじめます。
(4)丸く彫られた部分や、道祖神本体などにも影を描き、立体感やゴツゴツした石の硬さを強調していきます。
鉛筆描きのお手本
完成。
背景の木や草などはあまり強く描かず、道祖神が引き立つようにしながら、顔などの細部を描き進めて仕上げていきます。
着色のお手本
●着色のポイント
グレーが基調色の道祖神ですが、グレー一色で描くと単調で冷たい感じの絵になることもあるので、茶色や黄土色なども少し加えながら描きます。明るい部分はできるだけ薄く塗るのも立体感を出すコツです。