随筆家・吉沢久子さん「大切なのは切り開く力! 100歳でも幸せなひとり暮らし」

仕事に限らず、趣味やボランティアや家事など何かに夢中になったり、真摯に取り組んでいる人は、いくつになっても"現役世代"! 97歳で新刊『100歳になっても!  これからもっと幸せなひとり暮らし』を刊行し、100歳を迎えた随筆家・吉沢久子さんが、日々の暮らしを語ります。

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年寄りという、枠を作らない

一緒に20年暮らしたしゅうとめは、自分を枠にはめない人でした。96歳まで生きましたが、90歳でも一人レストランで、タンシチューを優雅に食するような人でした。高齢の女性が一人でタンシチューを食しているのは珍しい光景だったのか、知人にビックリされたこともありました。

年寄りとはこうあるべきなどと、自分で枠を作ってしまうのは、本当につまらないこと。おいしいものをおいしいと感じられる今日の自分に感謝して、今日を謳歌する。しゅうとめから学んだことです。

自分に枠を作らないということは、世間の目にとらわれないということだけでなく、自分に限界を作らないということでもあります。

 

朝ごはんをしっかり食べて元気に1日をスタート

1日2食を習慣にしているため、朝ごはんはたっぷりいただきます。これまで、イギリスパンのトーストに野菜と卵料理、果物にミルク紅茶という朝ごはんを続けてきました。1日に1個、卵を食べるようにしています。よく作るのは、ほうれん草のバター炒めに半熟の目玉焼きをのせたもの。ほうれん草は1わの半分をゆでてバターソテーにするので、結構な分量になります。これに黄身をつぶして絡めながらいただく。

1901p023_01.jpgいままでの典型的な朝ごはん。黄身をつぶしてほうれん草とあえたり、パンにつけたり。


食事の量は腹七分目にするよう心がけています。元来、食べることが好きなので、食べ過ぎにならないよう、注意しているのです。

卵を焼くのがおっくうなときもあります。ある朝、めいが買ってきてくれたパンケーキミックスがあるのを思い出し、1袋のパンケーキミックスに卵2個、牛乳100mlを溶いて焼くと、きれいなパンケーキが4枚できました。2枚にバターやメイプルシロップ、はちみつなどをかけたら、とてもおいしかったのです。

ここではたと気付きました。パンケーキ2枚を食べると卵が1個入っている。まとめて2袋分のパンケーキを焼いて冷凍しておけば、卵料理が面倒なときはこれを食べればいい。急に気が楽になりました。

 

これからももっといい人生を送るために

私は目に見える物質的な財産を信頼していません。何がいちばん大切かと問われれば、「どんな立場でも自分の境遇をいつもより良い方向に向けて切り開いていける力」だと答えるでしょう。

1901p023_02.jpg愛着のあるものたちと。ものがあろうがなかろうが幸せならいい。


誰かに頼るのではなく、自分の力で。人生を切り開く力は、火事でも焼けず、泥棒も盗めない本当の自分の財産になります。そして、人生の終わりまで、前向きに、暮らしていきたいと思います。

※吉沢久子さんの著書より抜粋し、まとめました。

 

撮影/秋元孝夫(写真は『100歳になっても! これからもっと幸せなひとり暮らし』より)

 

吉沢久子(よしざわ・ひさこ)さん

家事評論家。1918(大正7)年、東京生まれ。66歳から一人暮らし。老年世代の暮らしに根付いたより良い生き方に関する発言に多くの共感が寄せられている。著書多数。


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『100歳になっても!これからもっと幸せなひとり暮らし』

KADOKAWA 1,300円+税

吉沢さんが97歳のときに著した本。100歳が近くなり、高齢ならではの生活の知恵と工夫を織り交ぜた一人暮らしの極意。100歳までの人生をどう生きればよいか、幸せに生きる術がここにあります。

この記事は『毎日が発見』2019年1月号に掲載の情報です。

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