2021年の新刊から不朽の名著まで、「毎日が発見」連載陣ら11人が推薦する「年末年始に読みたい良書33選」。今回は、料理やライフスタイルの企画でおなじみの料理研究家、谷島せい子さんが薦める「ひとり時間を楽しむ本3選」をご紹介します。
【前回】ライターの瀧井朝世さんが薦める年末年始に読みたい「老後や家族のあり方を思う本」3選
【最初から読む】医師、作家の鎌田 實さんが薦める年末年始に読みたい「生き方を見つめなおせる本」3選
谷島せい子さんが薦める「ひとり時間を楽しむ本」
(1)『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』(全6巻)
塩野七生/著 新潮文庫 506円~(税込)
ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史
(2)『薬草の散歩道 薬になる野の花・庭の花100種』
指田豊/著 NHK出版 1,320円(税込)
(3)『Preserving (Good Cook Series)』
Time-Life Books/著 Time Life Education 4,268円〜(税込)※
※一般の書店では入手が難しいことが予想されます。ネット書店や古書店、図書館などで入手できる場合があります。
(1)塩野七生さんの本に誘発され、イタリアに興味を持ちました。
最初の旅はベネチアでした。
イタリアという一つの国がまだ別々の小国であった歴史を解ると、レシピに興味のある私にとって、ワインでいうテロワール(※1)みたいな理解がつきます。
旅をするにもうんと奥行きのある世界を覗けます。
旅ができたら、昔を思い起こす料理やパン、パスタを探すのも楽しいものです。
※1:もともとは「土地」を表すフランス語terreから派生した言葉で、ワインやコーヒーなどの品種における、生育地の地理や気候による特徴を指します。
(2)鎌倉育ちの私は、小さい時から植物が大好き。
花を摘んで帰ると、祖母も喜ぶ食用の草やすり傷に当てるとよい雑草、決して触ってはいけないものも。
名前を知りたいといろいろな草花の本を手に入れましたが、薬になるという知識を得ることで嬉しい気分に。
コロナ禍、住宅街で懐かしい草花を見てしみじみする毎日。
花の名前を思い出すことはボケ防止にも良さそうです。
(3)昔、各社がよく出版したシリーズで、果実や肉など保存食の専門書です。
海外に行って感動するのは、野菜や果実、肉や魚のビン詰めが、店や各家庭の台所の棚に、上から下までぎっしり詰まっていることでした。
簡単な料理にもちょっとした科学や植物学があります。
基本の知識をまず理解するために、一度は読んで頂きたい本です。
取材・文/オフィス・エム(寳田真由美)