「貧乏ゆすり」は健康に良い! デスクワーク中に座ったまま、自宅でできるストレッチで、心臓力を高める

【やってみよう②】貧乏ゆすりは健康ゆすり

筋トレは生涯続けられるように、安全でケガをしないように行うことが大切です。しかし、いくら筋トレが重要といっても、朝早く起きてすぐは、まだ筋肉や血管がかたく、このようなときにいきなりやってはいけません。

また、朝のラジオ体操も悪くはないのですが、高齢者にとっては少し不安な点があります。なぜなら、少し跳んだりはねたりすることが多く、下半身のトレーニングにしても、膝や腰への負荷が強いように思えるからです。

そこで、ぜひ追加してほしいのが、朝の軽いストレッチです。

かたくなった筋肉をいきなり伸ばすと、肉離れを起こして筋肉が傷つきます。これは、心臓や血管でも同じこと。かたくなった血管は、血圧が急に上がると内皮に傷がつき、心筋梗塞や脳卒中の引き金となってしまいます。

血管や筋肉をやわらかくして、そこに血液を送り出す心臓や心筋の負荷を軽くするイメージで行います。心臓の寿命を延ばすために行う全身ストレッチを下で紹介します。朝起きたときに手足をやさしくほぐし、筋肉や血管をやわらかくする運動です。

井戸水をくみ上げるように、両足へ下りた血液を上昇させるには、心臓が広がる力に加えて、足、特にふくらはぎの筋肉が重要な役割を果たします。

ウォーキングやゴルフが心臓力アップに効果的なのは、そのためです。

筋肉がついてくると、代謝量も増えるので、しっかり食べても太りにくくなります。まさにダブル効果といえるでしょう。

そこで、耳よりなエクササイズ情報をひとつ。

日本では「行儀が悪い」とされる「貧乏ゆすり」ですが、英国の1万2000人を対象にした研究では、むくみがよくなるばかりか、エコノミークラス症候群、変形性股関節症を予防し、さらには、死亡リスクまでが低下すると報告されています〈41)。

ふくらはぎは「第2の心臓」「下半身の心臓」として有名です。「貧乏ゆすり」は「健康ゆすり」。ぜひエクササイズとして取り入れてみてください


超簡単! 筋肉と血管をほぐして心臓力を高めよう! 座ったままで全身ストレッチ

ストレッチはウォーキングよりも血圧を下げるという研究報告がある。実際、筋肉を伸ばすことで全身の血管もスムーズに広がるようになる。転倒、骨折のリスクも低下し、心臓力を高め100 年寿命の達成に大きな威力を発揮する。年齢を問わず、デスクワーク中でも座ったままできるストレッチを紹介しよう。

「貧乏ゆすり」は健康に良い! デスクワーク中に座ったまま、自宅でできるストレッチで、心臓力を高める 座ったままで全身ストレッチ

「貧乏ゆすり」は健康に良い! デスクワーク中に座ったまま、自宅でできるストレッチで、心臓力を高める 座ったままで全身ストレッチ

「貧乏ゆすり」は健康に良い! デスクワーク中に座ったまま、自宅でできるストレッチで、心臓力を高める 座ったままで全身ストレッチ

41) "Gareth Hagger-Johnson,et al.Sitting Time, Fidgeting, and All-Cause Mortality in the UK Women's Cohort Study. Am J Prev Med 2016;50:154 60."

 

大島一太

医師・医学博士。大島医院院長、東京医科大学循環器内科学分野、東京医科大学八王子医療センター循環器内科兼任講師、日本看護協会看護研修学校非常勤講師、日本循環器学会心不全療養指導士実務部委員、日本心臓病学会特別正会員・フェロー・心臓病上級臨床医、Japan Cardiology Clinic Network理事など。平成8年東京医科大学卒業、同大学院修了。聖路加国際病院循環器内科、東京医科大学八王子医療センター循環器内科、東京医科大学病院循環器内科に勤務。日本循環器学会や日本心臓病学会、日本不整脈心電学会、日本集中治療医学会、日本救急医学会など、多くの学術集会で教育講演を行い、シンポジスト、座長、査読委員などを歴任。医学系専門誌への執筆は100編以上、その他、健康誌、スポーツ誌など多数執筆。

※本記事は大島一太著の書籍『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)から一部抜粋・編集しました。
PAGE TOP