溜め込まれた脂肪が山のように。「肥満」は万病のもと!/やさしい家庭の医学

pixta_31259007_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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体の中の脂肪の割合が高すぎる状態

「肥満」

●「BMI」という指標

「肥満」とは、一般的には体が太っていることをさしますが、医学的には体に脂肪が蓄積し過ぎた状態のことです。人の体は水分や糖質、タンパク質、脂肪などによってできていますが、その中の脂肪の割合が高すぎる状態のことと言い替えられます。

肥満は、現在、「BMI(Body Mass Indexi)」という指標で表されています。これは「体格指数」のことで、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値で判断されます。たとえば、体重60キロ、身長170センチの男性の場合、60÷1.7÷1.7=約20.7となります。

日本肥満学会によると、標準を22とし、18.5以未満を「低体重」、18.5以上25未満を「普通体重」、25以上30未満を「肥満(1度)」、30以上35未満を「肥満(2度)」、35以上40未満を「肥満(3度)」、40以上を「肥満(4度)」としています。これより先述の場合を考えてみると、「普通体重」のカテゴリーに入ることになります。

また、肥満度を測る数値として「体脂肪率」というものがありますが、こちらは体の中の脂肪の占める割合を指し、体脂肪量(キロ)÷体重(キロ)×100で表されます。一般的には、男性で25%、女性で30%を超えると肥満といわれています。

体内に脂肪が蓄積する主な原因は、やはり食べすぎにあります。摂取(せっしゅ)するエネルギーと消費するエネルギーに差ができ、だんだんと脂肪が蓄積されていくことになるわけです。

ただ、肥満になる原因には食欲を支配する視床下部(ししょうかぶ)の障害やホルモン異常によるものもあります。これは症候性肥満といい、ほかの病気がもととなって引き起こされる肥満のことです。この場合は、その原因となる病気の治療が先決となります。

肥満が問題とされるのは、肥満が原因となって起こる合併症によるものです。糖尿病や心臓病、脂質異常症、高血圧症のほか、脳血管障害や胆石症なども可能性として挙げられますので、注意しましょう。

また、「かくれ肥満」といって、BMIの数値は正常なのに内臓脂肪が多い状態の肥満もあり、こちらもその後の合併症が懸念(けねん)されます。食事制限や運動などをこまめにとることによって肥満を解消したいところです。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』

(中原英臣[監修]/KADOKAWA)

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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