防ぎづらい脳卒中の予防にも。40歳になったら「脳ドック」へ/やさしい家庭の医学

pixta_40448678_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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脳の異常を早期に発見するための検診

「脳ドック」

●40歳以上になったら受診を検討

「脳ドック」は、脳の異常を発見するために特化した検診で、くも膜下出血や脳梗塞(こうそく)などの脳疾患(しっかん)の早期発見に役立つとされています。

厚生労働省の人口動態統計(2012年)によると、脳血管疾患は日本人の死亡原因の第4位で、発症すると急に意識を失うことになり、危険が伴います。脳の異常を早めに見つけることは、重篤(じゅうとく)な脳疾患を事前に防ぐ手立てとなります。

脳ドックでは、尿検査や身体測定、血液検査、眼底検査などを経たのち、心電図、頸動脈超音波検査、MR検査へと進みます。

血液検査はコレステロールや中性脂肪など、脳血管の状態を調べるため、眼底検査は、眼底の血管が脳の血管と繋(つな)がっていることによるため調べられるものです。

MRIでは頭部の断層写真、MRAでは脳血管の立体画像を撮影します。これらの検査により、脳梗塞や脳動脈瘤の有無がわかります。

なお、この検査では強力な磁場が発生しているため、心臓にペースメーカーを利用している方や体内に金属が埋め込まれている方は受けることができません。

通常、脳ドックを受けたほうがよい年齢とされるのは40歳以上で、2~3年に1回の割合で受けると早期発見に役立つとされます。

最近では、診断装置の進歩によって、以前では診断することができなかった、ほとんど自覚症状を伴わない「無症候性脳梗塞」が発見できるようになっていますが、あまりの精密さにより異常とは思えない程度の脳内の変化が見つかったことで、受診者が必要以上に病状を心配するという事態も招いているようです。

脳ドックを受けたあとの医師の診断や、後日郵送されてくる診断結果を見る際には、それらのことも考慮したほうがよりよい判断ができるように思われます。

 

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関連記事「「脳ドック」で発見! 脳梗塞、未破裂脳動脈瘤のリスク/健康診断」はこちら。


中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。


 

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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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