20歳を過ぎても完治しない!? やっかいな病気「アトピー性皮膚炎」とは?/やさしい家庭の医学

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病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。
書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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肌に刺激を与えず、ストレスのない生活を
「アトピー性皮膚炎」

●かつては20歳までに治るとも

現在、20歳以下の10人に一人が罹(かか)っているといわれる「アトピー性皮膚炎」。アトピー性皮膚炎は、かつては乳幼児に特有な病気といわれ、2歳で患者さんの半数が治り、10歳までにその半数が、そして20歳までにはほとんど治るとされてきました。

ですが、実際はそうではなく、20歳をすぎても完治しない患者さんや、成人してから再発した患者さんもいるようです。現代病の中でも、とくにやっかいなものの一つがこの病気といえるでしょう。

アトピー性皮膚炎は、「アトピー体質」といわれる遺伝性のアレルギー素因を持っている皮膚の炎症と考えられていますが、いまだに原因がつかめていないのが現状のようです。一般的には、花粉やほこり、ダニ、カビ、ペットの毛、特定の食べ物などに過剰に反応することによって皮膚に炎症が起こるとされ、親からの遺伝によるものともいわれます。

体の全体にわたってかゆみが広がるのが特徴で、かゆみが原因で肌をかきむしってしまうことにより、かさぶたができ、それをまたかいてしまうことによって、どんどん肌が厚くなっていきます。季節によってかゆみには違いがあり、夏よりも冬のほうが空気が乾燥しているため、かゆみが増すようです。

治療法としては、肌を守るためにまずはかゆみを抑えることが先決で、白色ワセリンなどを塗って皮膚の乾燥を防ぎます。これで改善する場合もありますが、症状が治まらないときは抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などを服用して対処します。

毎日の食生活においては、香辛料など刺激の強いものの摂取を極力抑えることが必要で、肌に刺激のある素材の服を着ることもなるべく控えるようにしましょう。ストレスを溜め込むこともアトピー性皮膚炎にはよくないとされています。規則正しい生活を送り、刺激の少ない石けんなどで肌を清潔に保つことも大切でしょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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