ストレスの悪影響を知って、心臓に負担をかけない生活を!/不整脈

ストレスの悪影響を知って、心臓に負担をかけない生活を!/不整脈 pixta_39875686_S.jpg心臓は1日に10万回以上も収縮しています。その脈の乱れが「不整脈」です。
急に動いたときや、緊張、ストレスなどでドキドキするのは「怖くない不整脈」。安静時でもドキドキしたり、めまい、息切れ、動悸があるのは「怖い不整脈」かもしれません。
心臓と不整脈について、大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学教授の澤芳樹先生に聞きました。

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目指したいのはストレスフリーな生活

心臓は私たちが「動かそう」と思って動くものではなく、無意識のうちに体内の環境を整える「自律神経」ネットワークでコントロールされています。自律神経には、体を活動状態にするアクセル役の「交感神経」と、休息状態にするブレーキ役の「副交感神経」があります。

不安、心配、恐怖、緊張などは交感神経を興奮させて、心筋の収縮と心拍数、血流を増大させ、心臓がドキドキして落ち着かない状態になります。昼間の活動時にこの状態が続くのは大きな問題ではありませんが、夜の睡眠時に心臓がドキドキした興奮状態になると、眠れない、眠りが浅い、休息が取れない状態が続き、心臓が必要以上に働いて、大きな負担となります。

「ストレスと心臓は自律神経により深く関係しています。心臓そのものは痛みを感じませんが、自律神経の乱れによって心臓のリズムも乱れると、それが不整脈となって表れます。心臓を守るためにストレス、過労、睡眠不足、高血圧、高血糖などの改善を」と澤先生。

ここで紹介しておきたいのが「心臓神経症」という病気。心臓病に見られる、動悸、胸の痛み、めまい、息切れなどの症状があるのに、心臓の検査をしても何一つ異常が見つからない場合、この病気が疑われます。原因は、ストレス、過労、そして心臓病に対する過度の不安などで、心臓の働きが活発になる交感神経を刺激して、前述の不整脈のような症状になるのです。心臓神経症は心臓の病気ではなく心の病気なので、治療のアプローチも異なりますが、放っておくと心臓に大きな負担をかけ続けてしまい、本当の心臓病を引き起こしかねません。

 

不安、緊張、過労などのストレスが心臓を酷使する悪循環
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不整脈を予防するポイント
生活習慣を守って不整脈を予防し、大切な心臓に負担の少ない生活を心がけましょう。

  • 十分な睡眠
  • 十分な休息
  • 体力に合った適度な運動
  • 高血圧予防
  • 糖尿病予防
  • 動脈硬化予防
  • 禁煙
  • 自分に合ったストレス管理法

 

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取材・文/宇山恵子

ストレスの悪影響を知って、心臓に負担をかけない生活を!/不整脈
<教えてくれた人>
澤 芳樹(さわ・よしき)先生

大阪大学医学部卒、医学博士。大阪大学大学院医学系研究科外科学講座心臓血管外科学教授。iPS細胞を用いた心筋シートの開発など世界最先端の研究を推進している。

 
この記事は『毎日が発見』2018年5月号に掲載の情報です。
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