毎日食べて!「発酵食」は腸内細菌を整える最高の食事です/発酵食

pixta_38729230_S.jpg

善玉菌は約1割。『日和見菌』を味方にしよう

最近、腸の健康状態は、体全体の健康に影響することが分かり注目されています。腸内環境が良いと免疫力が高くなり、風邪などの感染症にもかかりにくくなるそうです。それならもしかして、善玉菌をどんどん増やせば......健康になりますか?

「実は、腸内にある菌の8割程度は『善玉菌』でも『悪玉菌』でもない『土壌菌』なんです」と話すのは、感染症免疫学や寄生虫学が専門の藤田紘一郎先生です。

「腸内の菌のほとんどは、私たちの周りの空気中に飛んでいたり、人や物に付いている『土壌菌』なんです。赤ちゃんが物をなめたり、人に抱っこされたりするうちに、周囲の環境から菌をもらうんですね。土壌菌は普段、悪さをするわけではありませんが、善玉菌が増えると善玉菌の味方をして、悪玉菌が増えると悪玉菌の味方をする菌です。別名『日和見菌』とも呼ばれています。

腸内の菌の割合は、健康な人で「善玉菌:土壌菌:悪玉菌=1:8:1」程度です。ある人が実験で、善玉菌だけを増やそうと善玉菌の一つである乳酸菌をたくさん摂りました。ところが健康になるどころか、おなかを下してどうしようもなかったのです。善玉菌が増えるばかりではダメで、腸内細菌のバランスが保たれていることが大事なのです」

発酵食品は、それ自体が菌の宝庫です。幼い頃から親しんできた発酵食品は、自分の腸にすむ腸内細菌と合う可能性が高まります。

1803p040_01.jpg

「発酵食品には善玉菌と土壌菌、そしてミネラルがたくさん入っています。例えば、漬物は善玉菌である乳酸菌と、さまざまな土壌菌が入っています。善玉菌にもたくさんの種類がありますから、まずは自分に合った善玉菌を見つけるといいでしょう。一人ひとりが持つ腸内細菌の種類やバランスは全く異なるので、他の人に効果があったものが、自分に合うとは限りません。

便秘に悩んでヨーグルトを食べているけれどなかなか改善しない......という場合は1種類にこだわらず、さまざまなものを試してみるといいでしょう。1、2週間食べ続けると腸内環境は変化しますがそれでもおなかの具合が変化しなければ、他のものを食べてみるといいと思います。

日々、コンスタントに発酵食品を食べることで体調は整い、免疫力も向上すると思います。腸の調子が悪いときには、調味料もみそやしょうゆ、酢といった伝統的な発酵食品に替えてみるといいでしょう」

 

当てはまるものが一つでもある人は要注意です!

あなたは大丈夫?腸内環境チェック

□おならや便が臭い
□便がコロコロする、または液状である
□肉を多食している
□発酵食品はあまり摂らない
□お酒をよく飲む
□甘いものをよく食べる一方、その分食事を減らしている
□インスタント食品やファーストフードをよく食べる
□和食より洋食派である豆類や海藻類、根菜類はあまり食べない
□肌荒れがある
□肩こりや頭痛がある食欲不振のことが多い
□疲れやすい
□ストレスを感じることが多い

 

1803p042_01.jpg

善玉菌が増えると
●免疫力がアップする
●アレルギー疾患の緩和
●代謝促進、整腸作用
●美肌、若々しく見える
●ストレス軽減

1803p042_02.jpg

悪玉菌が増えると
●便秘、下痢、ガスがたまる
●肌荒れ、吹き出物が出る
●口臭や体臭の変化、おならが臭くなる
●イライラする、ストレスがたまるなど

 
理想的な便とは?
バナナのような形状で黄褐色が理想的。「コロコロと固く、切れてしまう便が出たら、悪玉菌が多く水分も少な過ぎます。出すときに苦労するのもいけません。バナナ1本くらいがすとんと落ち、はじめは水に浮かび、やがて沈む程度の重さが理想的です」(藤田先生)


1803p043_01.jpg

構成/高谷優一 取材・文/三村路子 イラスト/山元かえ

<教えてくれた人>
藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)先生

1939年、中国・旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。著書に『腸内革命 腸は、第二の脳である』(海竜社)など多数。

この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP