その治療方針、納得している?「インフォームド・コンセント」が大切な理由/やさしい家庭の医学

pixta_38919965_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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自身の治療方針をよく理解するために
「インフォームド・コンセント」

●家族同席で治療内容を理解する

インフォームド・コンセント」とは、簡単に「説明と同意」と訳されることがありますが、少し長く説明しますと、「医師が患者さんの病気についてよく説明し、それを患者さんが理解・納得したうえで治療・検査を受けることに同意する」という意味です。

たとえば、家族の誰かががんになってしまった場合。がんの告知を本人にするべきかどうか悩むところですが、がんの告知に関するいくつかのアンケート調査を見てみますと、回答した患者さんのうち、80~90%の方々が「告知を受けてよかった」と答えています。つまり、本人ががんの告知を受けたうえで治療に臨みたいと考えているということです。
 
これは、近年まで一般的であった、「がんの告知は本人にショックを与えるため、すべきではない」という認識から大きく変化していることを意味します。現在では、がんの治療も進歩を見せ、治る確率も高くなっていることから、患者さんの意識も変わってきました。同時に、自身の余命を把握(はあく)することによって、その後の人生を有意義に送りたいという意識の現れと考えることもできるでしょう。
 
このようなとき、診断結果や治療方針、投薬の種類・副作用、リハビリなどの詳細にわたり、患者さんが医師から説明を受ける内容を理解し、同意を得ながら治療を進めていくことが欠かせません。これが、インフォームド・コンセントの具体的な中身といえるでしょう。
 
ただし、患者さんが精神的に不安定な状態にあるときや、性格的に弱かったりする場合は、医師から告知されたとしても十分に受け止めることができず、かえって精神的なダメージを受けることも少なくありません。そのようなときはもちろん、インフォームド・コンセントをする際には家族(ないし代理人)が同席した方が望ましいといえます。
 
治療には家族の協力が欠かせませんので、家族も患者本人の病状を理解しておく必要があるからです。また、医師との意思疎通を確かなものにしておくためにも、患者さんが自身の治療方法を理解しておくことが不可欠になります。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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