薬よりも生活改善が効果的。つらい「便秘」を治すには/やさしい家庭の医学

pixta_7009602_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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3日以上便が出ない場合はこの状態

「便秘」

●生活習慣の改善でスムーズな排便を

便秘」とは、排便に困難を伴う場合のこと。一般的に、食事をしてから排便までは24~72時間かかるとされていますので、つまるところ、3日以上便が出ない場合は便秘と考えることができます。

ただし、排便の回数は各個人によって異なりますので、2~3日に1度の排便が通常の回数という人の場合は便秘とはいえません。逆に、1日のうちに排便があったとしても、出るべきものが出にくい場合は便秘といえます。

便秘は「機能性便秘」と「器質性便秘」に大別されます。

機能性便秘は、食事の量や食物繊維の不足、ストレス、運動不足のほか、旅行などをしたことによって普段とは異なった状況に置かれたときなどに起こるものです。これらのことが原因となり、腸が緊張したり緩(ゆる)んだりすることによって、腸の運動量が低下することによります。

器質性便秘は、大腸がんやクローン病など、消化管の病気が原因となって腸が狭くなるために起こるものです。
そのほか、筋弛緩(しかん)剤や向(こう)精神薬などの薬剤の副作用によって引き起こされる便秘もありますので、その場合は原因となっている病気を治療しなければなりません。

機能性便秘は、便秘の中ではもっとも多いのですが、まずは規則正しい生活習慣を身に付けて改善するように心掛けましょう。排便は、毎日の生活の中に位置付けられてこそスムーズにすることができます。

ふつう、腸の動きがもっとも活発になるのは、朝食を摂(と)ってから10~30分の間といわれていますので、その後にトイレに行けば、排便しやすくなるでしょう。

便秘がちだからといって、安易に便秘薬を飲む患者さんがいますが、それを内服したことによって便が必要以上に軟らかくなり、下痢になってしまう人もいます。便秘を治すには、食事を含めた正しい生活習慣を送ったほうがよいというのは、そのことにもよります。

なお、脂肪を多く含んだ食べ物は腸内ですべりやすいため、便の固さを調整するのに役立ちます。また、バターや蜂蜜、果物などもそれと同様の働きをすると考えられますので、試してみるのも一つの手といえるでしょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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