病気が潜んでいることも。ただの「むくみ」と侮るなかれ!/やさしい家庭の医学

pixta_32266008_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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細胞間の水分がうまく出入りできない状態
「むくみ」

●腎臓病や右心不全などが原因かも
「朝起きて鏡を見たら顔がむくんでいた」「夕方、靴を履(は)こうとしたら足がむくんでいてうまく入らなかった」といった経験がある人もいるかもしれません。このような「むくみ」はよくあることのように思えますが、もしかしたらそこには病気が潜(ひ)そんでいるかもしれません。

むくみは、医学的には「浮腫(しゅ)」と言い替えることができる症状です。細胞と細胞の間には水分(間質液(かんしつえき))がありますが、この水分が増加し、皮膚の外からでもぶよぶよしているのが分かるようになったら、それはむくみがある証拠です。
 
足のすねの部分を10秒間強く押し続けてみて、指を離してもへこんだままならばむくんでいることになります。肥満の場合は同じようにしてみても、へこんだままにはなりません。
 
なぜむくみが起こるかといえば、何らかの原因によって体のバランスが崩れ、血管の周りでいままでうまくいっていた水分の出入りが機能しなくなったことによります。そのため、回収されなくなった水分が細胞の間に間質液として残ったままになってしまい、それがむくみとなるわけです。
 
顔にむくみが見られる場合は、腎臓病や上大静脈症候群、クッシング症候群などが原因と見られます。クッシング症候群の場合は、顔が満月のようにまん丸くなり、胸やお腹に脂肪がたまってくるのが特徴です。
 
足にむくみが見られる場合は、右心不全や下肢(し)静脈瘤(りゅう)、脚気(かっけ)などが原因と考えられます。右心不全は、右心室の機能が低下することによって起こるもので、右心房や大静脈に血液がうっ血することによって足のむくみやお腹の張り、食欲不振、吐き気などの症状が併せて見られるようになります。
 
また、全身にむくみが見られるような場合は病状が深刻であると判断されます。とくに、肺にむくみが見られると呼吸困難になってしまい、死に至ることも少なくありませんので注意が必要です。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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