血液内ではびこる細菌。多臓器不全にもつながる「敗血症」/やさしい家庭の医学

pixta_7559974_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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血液に細菌が入って増殖し、発症する
「敗血症」

●進行すると多臓器不全に

「敗血症」とは、簡単に述べれば、血液にさまざまな細菌が入って増殖することにより、重い症状に陥(おちい)った状態のことです。また、たとえ体内に細菌が入っていなくても、細菌などから出される毒素や、サイトカイン(免疫細胞の間で情報伝達を担うタンパク質の総称)が全身に回ってしまい、腎臓や肺などの臓器がひどく冒(おか)されて重い症状が現れているときも敗血症と呼ぶ場合があります。
 
敗血症でショックを伴う場合を敗血症性ショックといい、複数の臓器が同時に障害されることを多臓器不全といいます。
本来、血液には細菌の増殖を抑える役割があるのですが、がんや白血病などに罹かかっていることによって感染への抵抗力が落ちている場合、敗血症に罹りやすいとされます。
 
症状としては、高熱が出たり、寒気とともに汗が出るなどが挙げられます。急性の場合は、意識障害や無尿の症状が出て、数時間で亡くなるケースもないわけではありません。このような場合はすみやかに医師に見てもらい、体内に入った細菌に合う抗生物質を投与してもらう必要があります。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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