命にかかわる"血液のがん"。いち早く発見したい「白血病」/やさしい家庭の医学

pixta_23265096_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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前の記事「血液内ではびこる細菌。多臓器不全にもつながる「敗血症」/やさしい家庭の医学(34)」はこちら。

 

血液中の白血球が増殖する「血液のがん」
「白血病」

●死亡者数はがん全体の約2.3%
「白血病」は、血液中の白血球が無制限に増えてしまう病気で、「血液のがん」とも呼ばれています。

東京都健康安全研究センターの報告によると、2010年の白血病による死亡者数は男性4860人、女性3218人となっており、同年のがんによる死亡者数(男性21万1435人、女性14万2064人)から考えると、白血病による死亡者数の割合は、男性と女性ともに約2.3%となっています。ですから、白血病によって亡くなるのはがんの発症による死亡者数から見ると稀(まれ)なケースといえますが、1度発症してしまうと命を落とす危険性もある恐ろしい病気です。

白血球は血液に入り込んだ病原体をやっつける、免疫の役割を担った血液中の成分ですが、血球をつくる幹細胞ががんになってしまうと骨髄の中で白血球が異常に増殖してしまうため、正常な血液細胞が増えることができなくなってしまいます。
 
白血病の症状には、全身の倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、息切れ、発熱、発汗などが挙げられますが、これらの症状は先述のような、正常な血液細胞がつくられなくなることによって引き起こされるもので、赤血球が少なくなることによって貧血が起きたり、倦怠感に襲われるようになるわけです。
 
白血病に罹(かか)る原因はいまだに不明な点が多いのですが、放射線や化学物質、抗がん剤(一部)などが原因と考えられています。また、もともと発病しやすいといった遺伝的な要因もあるとされます。

白血病は、増殖する悪性の細胞の種類などによって急性白血病と慢性白血病に分けられます。大人の場合は急性と慢性の両方に罹ることが多いのですが、子どもの場合は急性の場合が少なくありません。急性の場合は、治療が遅くなると自覚症状が現れてから数か月以内に命を落とすこともあり得ますので、早急な治療が必要になります。
 
現在、治療方法としては、骨髄移植や造血(ぞうけつ)幹細胞移植、臍帯血(さいたいけつ)移植、抗がん剤による薬物治療などが挙げられます。これらの治療は、骨髄内で無制限に増殖している未熟な細胞(白血病細胞)を退治し、正常な細胞の再生を図るための手段といえます。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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