ふと鏡を見たら、「まぶたや目の下がたるんでいる」「くまが濃くなって疲れて見える」などでがっかりしたという経験はありませんか? 目の周りにたるみやくまができると、実際の年齢に関係なく、老けた印象を与えてしまいます。そこで、皮膚科医で「ウォブ クリニック中目黒」総院長の髙瀬聡子先生に、目元やまぶたのたるみやくまの正しい対処法を教えていただきました。
前の記事「目元のたるみ。30代、40代、50代でその要因は異なります/目の下のたるみ・くま(1)」はこちら。
30代に多い表皮のたるみには、まずは保湿!
30代後半で多く見られる、たるみのように見える影は、肌のターンオーバー(新陳代謝)機能が衰えてくることで起きる表皮のたるみだとお話ししました。
「30代に多い表皮のたるみには、とにかく保湿をしっかり行うことが大切です。保湿後は、一般的なものでよいので、アイクリームを利用すると効果的です。また、目元のパックもおすすめです」と髙瀬先生。
目元の皮膚は薄いうえに、保湿の役割をする皮脂を分泌する皮脂腺が少ないため、特に乾燥しやすい部位です。肌の水分保持力は年齢と共に低下し、肌の柔軟性も衰えていきます。アイクリームでの保湿の前に、水分をたっぷりと補っておくと、たるみだけでなく、目の周りのシワ対策にも効果的です。次に、手軽にできる目元のコットンパックの方法を紹介するので、実践してみましょう。
●目元のパックのやり方
(1)洗顔後、顔全体を化粧水で保湿しておきます。
(2)コットンに、化粧水をひたひたにしみこませます。
(3)(2)のコットンを目元の気になる部分にのせ、3~5分程度置きます。
(4)化粧水後、乳液や美容液など、残りのスキンケアを行います。目元には、アイクリームをなじませます。
アイクリームは薬指で優しく置くのが基本
ところで、アイクリームはどうして必要なのでしょう? そもそも目元は顔の中でも特に皮膚が薄くデリケートな部位です。そのうえ皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、潤いを保つことが苦手なうえ、神経も敏感なところ。しかも、1日1万5000回以上と言われるまばたきでなどで絶えず動いているため、負担も相当なものです。
アイクリームには、さまざまな美容成分が含まれていますが、その多くは保湿成分です。
「乾燥によるダメージを受けやすい目元には、通常のスキンケアに使われる保湿成分だけでは不十分です。水分保持能力が衰えてくる30代後半からは、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されたアイクリームをお手入れに取り入れて、しっかり保湿しましょう」(髙瀬先生)。
アイクリームを塗る際は、摩擦による乾燥を起こさないよう、力が入りにくい薬指の腹で行います。たるみのケアには、目の下から目尻の外側に向かって、トントンと優しく置くようにクリームを肌になじませ、血行を促すようにします。目の周りの皮膚はデリケートなので、強い力を加えるのは絶対に避けましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美)
髙瀬聡子(たかせ・あきこ)先生
皮膚科医。東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブ クリニック中目黒」総院長。「高機能・高実感」と「ラグジュアリー・クオリティ」を同時に叶える化粧品「アンプルール」を研究開発。著書に『気になるパーツのスキンケア 2週間速効メソッド』(宝島社)など。雑誌、テレビ出演などさまざまな分野で活躍中。