「脂質異常症」は血液中の脂質が増えすぎて起こる/やさしい家庭の医学

pixta_29097477_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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血液中の脂質が増えすぎて起こる
「脂質異常症」

●コレステロールの悪玉と善玉
脂質異常症」は、血液中の脂質が増えすぎる病気です。脂質とは、コレステロールや中性脂肪をさします。以前、脂質異常症は高脂血症(こうしけっしょう)という名称で呼ばれていましたが、2007年より現在名に改められました。

血液中にはコレステロールのほか、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の四つの脂質が溶け込んでいますが、血液中にこれらの脂質がいくら増えたところで、体は痛くもかゆくもありませんから、その異常に気付かないわけです。

ですから、脂質異常症と分かるのは、健康診断のときなどに判明することが少なくないわけです。
また、そのまま放置し、増えた脂質が血管の壁にたまって動脈硬化を起こしたとしても、これまた痛みがありませんから、どんどんと症状が悪くなっていってしまうのです。

先述の四つの脂質の中で、多すぎると困るのがコレステロールと中性脂肪で、脂質異常症には、(1)LDLコレステロールが多いタイプ、(2)HDLコレステロールが低いタイプ、(3)トリグリセライド(中性脂肪)が多いタイプ、の3種類があります。

血液中のLDL(悪玉)コレステロールが酸化されると、動脈硬化が起こりやすくなります。
中性脂肪は体にとって必要不可欠なものですが、多すぎるとHDL(善玉)コレステロールが減少し、LDLコレステロールが増えることになります。HDLコレステロールが減ると、血液中のLDLコレステロールを回収することができなくなり、結果、LDLコレステロールが多く居残ることになってしまうのです。

脂質異常症への治療としては、食事療法による体質改善がもっともよいでしょう。脂質の摂取量を減らし、食物繊維を多く含んだ食事を摂ることによって脂質の吸収を抑えるというものです。さらに、抗酸化物質を含んだ野菜を摂取(せっしゅ)することでLDLコレステロールが酸化されなくなります。

また、タバコやお酒を控え、運動を取り入れて脂肪を筋肉に換えることも必要かもしれません。
なお、遺伝によって起こる家族性高コレステロール血症の場合、若いときから心筋梗塞(しんきんこうそく)や虚血(きょけつ)性疾患の可能性が高いと考えられていますので、早期の治療が必要になります。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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