「食中毒」の応急処置は、まず吐かせることが大事!/やさしい家庭の医学

pixta_15744055_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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応急処置は、まず吐かせること
「食中毒」

●細菌性食中毒と化学性食中毒

食中毒」とは、食べ物の毒にあたることをいいます。食中毒の「中」という字には、「あたる」という意味が含まれています。

食中毒は、大別すると、細菌性食中毒と化学性食中毒の二つに分けられます。細菌性食中毒は、発生の仕方から、さらに感染型と毒素型に分かれています。

細菌性食中毒は食中毒の中でもっとも発生する割合が大きいとされるものです。感染型は、菌が増殖した食べ物を食べることによって、お腹の中でさらに菌が増殖し、発症します。

感染型の病原体には、サルモネラ菌や腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター菌などが挙げられます。たとえば、サルモネラ菌は牛や豚、犬、猫などについている菌ですが、この菌がある食材や、菌が調理した人に付いていた場合に感染します。

毒素型は菌から出る毒素が中毒症状を引き起こすもので、感染型と異なり、30分~数時間のうちに吐き気や下痢、腹痛などの症状が現れます(感染型は12時間~36時間)。

化学性食中毒は、フグやカキ、草、キノコなどの自然毒によって起こるものと、農薬などの化学物質によって起こるものとがあります。

たまにニュースで報道されるフグを食べたことによる中毒の原因は、フグの肝臓や卵巣に含まれるテトロドトキシンという毒によるものです。これに冒(おか)されると、舌や唇がしびれてくるほか、手足や呼吸筋が麻痺(まひ)しますので、早急に病院へ行くことが必要です。

また、日本で多く見られるのが毒キノコによるもの。ドクツルタケやカエンタケ、カラハツタケなどは猛毒を含むキノコで、食べるだけではなく、触れるのも危険なほどです。場合によっては死にいたる可能性も捨てきれませんので注意が必要です。

食中毒になったら、応急処置としてはまず吐かせることがポイントです。胃がからっぽになるまで、何度でも吐かせましょう。また、毒を含んでから時間が経っているときは、すぐに病院へ向かいましょう。

吐いたあとは、体を安静にし、脱水症状に気をつけて医師の診察を受けましょう。脱水症状からショック状態(血圧が急に下がり、臓器に血液が十分に行き渡らなくなった状態)にあるときは、救急車を呼ぶのが先決です。

食中毒は夏に起きやすいと考えられています。古くなった食材を使うことを避け、手洗いをよくするようにしましょう。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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