更年期症状と更年期障害って、どう違うの?/更年期障害(4)

pixta_31158163_S.jpg40代半ばを過ぎて妙にイライラすると感じたら、更年期が始まっているかもしれません。更年期は、思春期と並ぶホルモンの大変動期で、疲労や肩こり、のぼせなど、これまで感じなかったさまざまな不調が起こりやすくなります。ひどくなると、更年期障害と呼ばれ、日常生活に支障をきたすこともあります。

この大変動期をできるだけ心地よく過ごすにはどうしたらよいのか、飯田橋レディースクリニック院長の岡野浩哉先生にお伺いしました。今回はその4回目です。

前の記事「ほてり、めまい、耳鳴り...これって更年期症状?/更年期障害(3)」はこちら。


発症時期、他の疾患、生活への支障で見極め!

更年期症状は、全身のさまざまな部位に多種多様に現れると、前回の記事でお話ししました。では、更年期症状と更年期障害の違いは、どこにあるのでしょう? 

「更年期障害とは、更年期に現れる症状であること、他の疾病によるものでないこと、日常生活に支障をきたすことの3つに当てはまる状態をさします」とは、飯田橋レディースクリニック院長の岡野浩哉先生。

ここで、更年期障害の診断について、詳しく見てみましょう。

 

●更年期障害の診断、3つのポイント

(1)更年期に現れる症状であること
40代半ば以降になり、これまで経験したことのない月経不順がある、月経の周期が少しずつ短くなるなど月経周期が乱れてきたといった場合は、卵巣機能が低下しています。この時期に始まる不調が、更年期症状です。そのため、更年期症状とよく似た症状であっても、20~30代の若年層や、閉経後5年以上経過した60代以降の人の場合などは、別の原因による不調が考えられます。

(2)他の疾病によるものでないこと
甲状腺機能異常やうつ病、関節リウマチ、メニエール病(※1)など、更年期世代が発症しやすい病気の中には、更年期の不調によく似た症状が出るものが複数あります。更年期以降は病気のリスクも徐々に増えてくるので、重篤な病気の発見が遅れてしまわないように、自己判断せず、「何かおかしい」と思ったら、婦人科で相談してみましょう。
※1:メニエール病/自分、もしくは周囲が回っているように感じる回転性のめまいを起こす病気で、めまいは10分から数時間続くこともあります。三半規管の内リンパ液が増えすぎて水ぶくれが起きることが原因と考えられています。耳鳴りや難聴などの耳の症状を伴います。

関連記事「20分以上続く「めまい」は要注意!リハビリや治療が必要です/めまいを治す!(2)」

(3)日常生活に支障をきたすこと
40、50代になると、多くの女性が更年期症状を経験しますが、必ずしも"支障"という状態になるわけではありません。たとえば、ほてりやのぼせといったホットフラッシュの症状があっても、「寒いからかえっていい」という女性や、重い月経痛で長年悩んできた人にとっては、閉経は苦痛からの解放。「更年期症状なんて月経のつらさに比べれば」と、かえって元気になる人もいます。

一方、仕事や家事が今までと同じようにできなくなるほど重い障害となる人もいます。"支障をきたす"とは、本人が感じて判断するもので、我慢は不要です。まずは、婦人科や更年期外来のある病院で相談しましょう。

  
「日常生活に支障が出るほどつらい症状を更年期障害といいますが、まだまだ更年期障害の認識が低い日本では、辛さを訴えても"怠けている、甘えている"と捉えられ、不当な待遇を受ける結果となりかねません。家庭や職場の環境など、生活環境は1人1人異なります。そのうえ、更年期の症状は、数字で表せるものではないので、一律の基準で判断することはできません。更年期障害なのか、それとも別の疾患なのかを判別するためにも、更年期かも?と思ったら、早めの対策が必要です」

 

次の記事「更年期障害の症状の特徴を知りましょう/更年期障害(5)」はこちら。

取材・文/笑(寶田真由美)

<教えてくれた人>
岡野 浩哉(おかの・ひろや)先生

飯田橋レディースクリニック院長。群馬大学医学部卒業後、同医学部附属病院産婦人科、 東京女子医科大学産婦人科などで臨床経験を経て、平成20年に飯田橋レディースクリニック設立。 「患者にやさしい医療」をモットーに、新聞・雑誌等メディアへ執筆多数。

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