加齢とともに硬くなりがちな股関節。健康な生活の基本となる歩行にも影響が出てきます。今回は、股関節のリンパを流して「股関節をほぐすストレッチ」を、リンパティック・ストレッチの考案者である前新マミさんに教えてもらいました。
リンパ体操とは
練習量の多いバレリーナの疲れを取り、筋肉を蘇らせるメンテナンスのためにリンパティックストレッチ(リンパ体操)を開発。リンパの流れを促進し、体や筋肉を修復・回復、歪みを正すのが目的です。
『足をスムーズに動かすためには股関節の周りの筋肉を柔らかく保ちます』
年齢とともに、どうしても硬くなりがちな股関節とその周りの筋肉。
股関節の可動域がだんだんと狭くなり、足が上がらないと歩幅が狭くなっていきます。
高齢になると歩く速度が遅くなるのは、歩幅が狭くなる= 足がしっかり上がらない、ということも一つの原因です。
もちろん足が上がらないと、つま先が些細な段差や床に引っかかるなどして、転倒もしやすくなります。
股関節には大きな鼠径(そけい)リンパ節もあるのでしっかりほぐします。
こんな人はぜひトライ!
□歩くのが遅くなった
□つまずくことが増えた
□股関節や腰が痛い
《座る姿勢は股関節に負担がかかる》
座っている姿勢は股関節や腰には大きな負担がかかります。股関節は伸びている方が血液もリンパも流れやすいですが、座っているとそこで一度流れを止められてしまうので、全身の流れが悪くなります。座るときは腰をしっかり立て、良い姿勢で座る習慣を身につけましょう。
腰が90°になっているのが正しい姿勢。背もたれには寄りかからない方が良い。
腰が後傾していて腰痛を招きやすい。背中も丸くなり姿勢も悪くなる。
開脚して座り、足の付け根に手を添えます。
足の付け根のまん中あたりに親指を当てて、足を手で握ります。
足をゴロンゴロンと、前後に転がすようにして、股関節を緩めていきます。
好きなだけ繰り返します。
1.
腰を立てて座ると効果が大。腰が丸くなると股関節が動かしづらい。
2.
3.
お風呂でストレッチ
足首を両手で持ち、ひざを横に広げるようにして足を上げていきます。背中は浴槽の壁に当てて滑らないようにしましょう。開きづらい股関節もお風呂で体が温まっていると、可動域が大きくなりほぐれてきます。
取材・文/石井美佐 撮影/藤田浩司 ヘアメイク/ange