誰かの言葉にすぐ反応。SNS、ツイッター、ネット記事に常に反応......毎日、ムダな「反応」をしていませんか? すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。
本書『反応しない練習』で、ブッダの超・合理的な考え方を学び、あなたも‟反応しない練習"を始めてみましょう。
◇◇◇
前の記事「「このままでいいのだろうか」という悩みをまず"理解"する/反応しない練習(1)」はこちら。
人によっては、「現実を受け入れることは、つらい」と思うかもしれません。でも、そうではありません。「受け入れる」のではなく、「ある」ものを「ある」と理解するだけです。
「わたしには悩みがある。未解決の問題がある」と、はっきり自覚します。「でも、きっと解決できる」と考えます。その「方法」が、これから学ぶ「ブッダの考え方」です。私たちはこれまで、「漠然と悩んでいる」状態を生きてきました。満たされなさをはっきり自覚できなかったから、いつまでも「気が晴れない」状態が続いてきたのです。
でも、「満たされなさがある」「悩みがある」と理解してしまえば、「では、どうすれば解決できるか」と、思考を一歩前に進めることができます。「ある」ものは「ある」と、まず理解すること。わたしには満たされなさ・未解決の悩みがある、と自覚すること。解決への希望は、そこから始まります。
ものごとを解決できる「明快な処方箋」
「悩みがある」と理解したら、次に考えるのは「この悩みの正体(原因)は、一体何だろう?」という点です。ブッダは、悩み・問題の解決の手順を、次の四つにシンプルにまとめています。
生きることには"苦しみ"が伴う。
苦しみには"原因"がある。
苦しみは"取り除くことができる"。
苦しみを取り除く"方法"がある。
―サルナートでの五比丘への開示サンユッタ・ニカーヤ
仏教の世界では、これを"四つの真理" 四聖諦(ししょうたい)と呼んでいます。一見すれば明らかですが、これは「何かを信じれば救われる」という宗教ではありません。
「こう考えれば、悩み・苦しみを抜け出せる」という、シンプルな「思考法」です。ブッダの考え方とは、悩みがあるという"現実"を見すえて、その"原因"を理解して、解決への"方法"を実践しようという、最先端の医学にも似た明快な処方箋なのです。
次の記事「「自分はダメだ」と落ち込むのも"心の反応"/反応しない練習(3)」はこちら。
僧侶、興道の里代表。1969年、奈良県生まれ。中学中退後、16歳で家出・上京。放浪ののち、大検(高認)を経て東大法学部卒業。現在、インドで仏教徒とともに社会改善NGOと幼稚園を運営するほか、日本では宗派に属さず、実用的な仏教の「本質」を、仕事や人間関係、生き方全般にわたって伝える活動をしている。著書に『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』(WAVE出版)、『独学でも東大に行けた超合理的勉強法』(サンマーク出版)、『消したくても消えない「雑念」がスーッと消える本』(大和出版)がある。著者ブログはこちら。
(草薙龍瞬/ KADOKAWA)
すべての「苦しみ」は、自分が「反応する」ことから始まっています。それを理解することが、悩みを解決する第一歩です。その事実と、具体的な方法論を教えてくれるのは、2500年前の悟った人、ブッダ(原始仏教)。本書では、原始仏典を紐解きながら、現代人の人生に活かせる合理的な考え方を紹介します。