認知症の発症リスクを高めるのは高血圧など生活習慣病/認知症予防(6)

pixta_31831428_S.jpg認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。

前の記事「認知症予防には40~60代は生活習慣病予防、70歳以上は低栄養対策を/認知症予防(5)」はこちら。

 

高血圧や糖尿病の予防が認知症予防には不可欠

では、生活習慣病がどうして認知症のリスクになるのでしょうか?
高血圧や脂質異常症の人は、脳血管性認知症の発症リスクが高い状態にあります。脳血管性認知症は、脳卒中などにより脳の中の血管が詰まったり、破れたりした結果、脳に障害が起きて発症します。

この脳卒中を引き起こす主な原因が動脈硬化です。高血圧になると、 血管に常に負担がかかり、血管が傷つきやすくなります。また、脂質異常症の場合、血液中の中性脂肪とLDL(悪玉)コレステロールが異常に増えて血管壁にコレステロールがたまり、血液が詰まりやすい状態に。いずれも、血管がしなやかさを失って、動脈硬化を促進します。

糖尿病の場合には、脳血管性認知症だけでなく、アルツハイマー型認知症のリスクにもなります。糖尿病になると、血糖値を調節するインスリンの分泌が低下したり、働きが悪くなったりしますが、問題はこのことで脳内のエネルギー代謝が悪くなってしまうこと。脳が十分な栄養を取り込めなくなり、脳の働きが低下して、もの忘れなどが増えます。
他にも、睡眠不足や骨粗しょう症も認知症のリスクを高めます。生活習慣病と認知症のどちらも悪化するという悪循環にならないよう、いま一度見直してみましょう。

 
主な認知症のタイプ

●アルツハイマー型認知症
日本人に最も多いタイプで、脳にアミロイドβ(ベータ)たんぱくやタウたんぱく質がたまり、神経細胞が死滅、脳全体が萎縮します。

●脳血管性認知症
脳卒中など、脳血管障害が起こるたびに段階的に進行。記憶障害は軽度で、人格や判断力
は保たれることが多いです。

●レビー小体型認知症
脳に、レビー小体という特殊なたんぱく質がたまり、神経細胞が死滅。詳細な幻覚や妄想
などの症状が特徴的です。

●前頭側頭型認知症
理性や思考、感情を司る部分に脳の萎縮が起こり、反社会的な行動を起こすようになりま
す。記憶障害は軽度です。

 

次の記事「骨粗しょう症、脂質異常症も! 認知症のリスクを高める生活習慣病/認知症予防(7)」はこちら。

取材・文/佐藤あゆ美

<教えてくれた人>
西野憲史(にしの・けんし)先生
医療法人 ふらて会西野病院理事長・ 院長。日本認知症予防学会 事務局長。園芸療法の有用性にいち早く着目し、生活習慣病や認知症の予防・改善に生かす取り組みを実践。

この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。
友だちに教える
この記事が気に入ったらいいね!しよう
毎日が発見の最新記事をお届けします。
PAGE TOP
毎日が発見ネット
毎日が発見ネット
毎日が発見ネット
毎日が発見ネット