「玄米中心の和食と運動で糖尿病と30年」予防医学の名医が実践する「糖尿病予防」生活習慣

進行すると、さまざまな合併症を引き起こす糖尿病。そこで、糖尿病の発症や進行を防ぐ健康術を、10人の名医が指南。食事、運動など、すぐにマネできるものばかりです! 今回はメディカルライス協会 理事長の渡邊 昌(わたなべ・しょう)先生が実践する「生活習慣」について伺いました。

【前回】ポールを使って効果アップ! 「食後のこま切れウォーキング」で糖尿病予防/糖尿病を防ぐ生活習慣

【最初から読む】血糖値を上げない工夫を! 名医が教える「糖尿病」を寄せ付けない最強の6ルール/糖尿病を防ぐ生活習慣

糖尿病を克服した予防医学の権威

渡邊 昌先生

「玄米中心の和食と運動で糖尿病と30年」

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実は糖尿病でした

53歳で糖尿病と診断されました。

仕事のストレスもあり、1日4食で、週5日はステーキ。

お酒も毎日飲んでいました。

血糖値の指標「HbA1c」は12・8%。脂肪肝や高脂血症、高血圧症もみられ、典型的な過食・肥満から進んだ糖尿病でした。

【食事】
「食品交換表(※) 」を片手に内容と時間を改善

朝昼晩の食事時間を規則正しく決めました。

和食が中心で、ご飯は新潟の農家から取り寄せた有機玄米。

腸内細菌を整え、免疫細胞も改善してくれます。

玄米はひと口で100回かむようにしています。

これに、魚、野菜の煮物や炒め物、具だくさんのみそ汁が基本です。

最後に和菓子か果物など甘いものを半分。

腹八分目でも満足感が大事です。

外食は半分残すようにしています。

※日本糖尿病学会編・著の『糖尿病食事療法のための食品交換表』。現在、第7版が発行されています。

【運動】
毎日1万歩と水泳で血糖の数値が下降

糖尿病と診断されて以来、一つ手前の駅で降りて歩いたり、駅は階段を使ったりして毎日1万歩。

週1回は水泳もしました。

食後の散歩が効果的です。

数カ月後にはHbA1cが7%に下がりました。

いまは好きなものを食べ、8%台ですが、合併症は全くありません。

【予防のポイント】
予防のポイント糖尿病のおかげで一病息災

薬に頼らずに血糖値をコントロールするには「食事と運動」が必須です。

私はこれで血糖値をコントロールし、60歳になってからホノルルマラソンを数回完走し、70歳でヒマラヤも登りました。

ここ数年は血糖測定器をつけ、インスリンもサプリメントのように使って、血糖変化を楽しみながら、生涯現役を目指しています。

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取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/鈴木衣津子
 

<教えてくれた人>
メディカルライス協会 理事長
渡邊 昌(わたなべ・しょう)先生
医学博士。慶應義塾大学医学部卒。国立がんセンター疫学部長、国立健康・栄養研究所理事長などを経て現職。2009年、専門誌『医と食』を創刊。著書に『最新版 糖尿病は薬なしで治せる』(角川新書)他。

この記事は『毎日が発見』2021年10月号に掲載の情報です。

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