血糖値を上げない工夫を! 名医が教える「糖尿病」を寄せ付けない最強の6ルール

進行すると、さまざまな合併症を引き起こす糖尿病。そこで、糖尿病の発症や進行を防ぐ健康術を、10人の名医が指南。食事、運動など、すぐにマネできるものばかりです! 今回はAGE 牧田クリニック 院長の牧田善二(まきた・ぜんじ)先生に「糖尿病を寄せ付けない最強の6ルール」について伺いました。

糖尿病を寄せ付けない最強の6ルール

糖尿病を防ぐには、食事や飲み物などで血糖値を上げない工夫が大切です。

見落とされがちな検査情報もチェックを。

【ルール1】血糖値ばかり気にしない

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糖尿病の治療や予防のため、血糖値を下げること、HbA1c(※1)を基準値内に保つことは大切ですが、近頃はいい薬もあるので、そればかりに一喜一憂する必要はありません。

とはいえ、高血糖の持続は体にさまざまな悪影響を及ぼし、老化の原因となります。

糖質の摂り過ぎ防止に白米は半量にする、血糖値を上げないために食後すぐにスクワットをするなど、無理なく行えることを続けてください。

※1 HbA1cは、測定前1~2カ月の血糖値の平均を表す指標。

【ルール2】のどの渇きを潤すには、糖質を含まないお茶や水を

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ご飯などの固形物は、胃で消化をするのに時間がかかりますが、液体の場合、口から飲むとすぐに胃を通り抜け、あっという間に小腸で吸収されるため、血糖値が急激に上昇してしまいます。

のどの渇きを潤すには、糖質を含まないお茶や水を飲むようにしましょう。

【ルール3】糖質はちょい控えめが正解

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いま、肥満でない人は太らないための軽い糖質オフで十分。

45歳以降の女性ならBMI25(※2)以下、男性なら30以下が目安です。

軽い糖質オフとは、まずは糖質を多く含むご飯やパン、麺類といった主食を減らします。

私の場合、白米は玄米に、食パンは全粒粉パンにと、糖質の少ないものを選択。

夜は寝るだけなので、夕食でご飯は食べずに、肉や魚、豆腐などたんぱく質豊富なおかずを食べます。

※2 BMIは、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数のこと。BMI=体重(kg)÷(身長m)2で求められます。

【ルール4】年1回、尿アルブミン検査

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血糖値が気になる方は、たんぱく質の一種であるアルブミンが尿にどれだけ漏れ出ているかを調べる尿アルブミン検査を年1回、行ってください。

糖尿病腎症の発症予防に役立ちます。

尿検査で、検査代は300円程度(保険診療)と安価に受けられます。

特に糖尿病の人は、血清クレアチニン検査を受けている場合も、定期的に計測を。

【ルール5】野菜、海藻、大豆が最強

糖尿病を防ぐには、血糖値を上げない食生活が大切です。

そのためには、野菜と大豆製品、海藻といった植物性の食品を積極的に摂るようにしてください。

これらは全て免疫力を高める成分が豊富。

あわせて、玄米を一緒に食べるようにするとさらにいいでしょう。

【ルール6】肥満には絶対ならない

家族や親戚に糖尿病の人がいる場合、糖尿病になりやすい傾向があります。

また、肥満は糖尿病の重大な原因の一つ。

現在は太っていなくても、過去に太っていたことがある人も要注意です。

慢性的な食べ過ぎや運動不足が気になる方は、肥満にならないよう生活習慣を見直しましょう。

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) イラスト/鈴木衣津子
 

<教えてくれた人>
AGE 牧田クリニック 院長
牧田善二(まきた・ぜんじ)先生

医学博士、糖尿病専門医。北海道大学医学部卒業。米国ロックフェラー大学研究員、久留米大学医学部教授などを経て2003年、開院。ベストセラーの『医者が教える食事術』(ダイヤモンド社)他、著書多数。

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『医者が教えるあなたの健康が決まる小さな習慣』

(牧田善二/KADOKAWA)

1,540円(税込)

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この記事は『毎日が発見』2021年10月号に掲載の情報です。

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