名前は強烈...。でも下肢静脈瘤に効果抜群な「ゴキブリ体操」って?/下肢静脈瘤の治し方

「足に謎のボコボコができる」「青い血管がウネウネする」など下半身の見た目に大きく影響してしまう「下肢静脈瘤」。足の静脈の弁が壊れて起こる病気ですが、推定患者数は1000万人以上とされ、とても多くの方が悩んでいます。そこで、血管の病気に詳しい医師・広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』(毎日が発見)より、「下肢静脈瘤のセルフケアと最新治療」を連載形式でご紹介します。

【前回】下肢静脈瘤は毎日の軽い体操で劇的に改善! 特に午後から夕方が効果大/下肢静脈瘤の治し方

【最初から読む】足に謎のボコボコ、青い血管がウネウネ...下肢静脈瘤、なぜ起こる?/下肢静脈瘤の治し方

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ごろんと横になって行う体操は
心臓に血液が戻りやすくなり、効果抜群

体操といっても、動きがむずかしかったり、特に激しいものではありません。

着替える必要もなく、思い立ったらすぐにできるものばかりです。

これまで、家でできる体操としてもっとも反響の大きかったのが「基本のゴキブリ体操」です。

インパクトのあるネーミングにギョッとした方もいると思いますが、とにかく簡単にできますし、効果もとても高いので、多くの方に取り入れていただきたい体操です。

あおむけになって、両手・両足を上げ、ブルブルと震わせるだけなので、体操ともいえないほど簡単です。

横になるだけでも足にたまった血液は心臓に戻りだしますが、手足をブルブルさせることで血流がグンと改善します。

人間の体の隅々まで血液をいきわたらせている毛細血管の約7割が、手足に集まっています。

手足を小刻みに動かすことで、毛細血管の負担が軽くなり、足の血液が心臓に戻るのを助けてくれます。

「ゴキブリ体操」は、「毛管運動」ともいい、治療に取り入れている医師も多くいます。

毛細血管は体の隅々まで酸素や栄養を運ぶ役割をしているので、それを活性化させることは、全身の血液循環をよくすることになります。

下肢静脈瘤以外に、高血圧、低血圧、冷え性、便秘などにも効果があるといわれています。

午後から夕方の間に必ず1回、できれば昼食後の休憩時にも1回、夜にも1回の計3回行いましょう。

余力のある方は夜寝る前にさらにもう1回行うと、より効果があります。

昼間行うときは、そのまま横になって寝てしまってもかまいません。

私も「できるなら一度昼寝して」と勧めているくらいです。

寝ている間にむくみが解消されます。

昼食後にゴキブリ体操をしてから30分程度の仮眠をとる、という一連の流れを習慣にするといいでしょう。

基本のゴキブリ体操

下肢静脈瘤が気になったらまずはこの体操を始めましょう。

抜群の効果が期待できます。

(1)あおむけになって足は肩幅に開き、両手は体の脇に置きます。

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【Point】
できるだけ体の力を抜いて、リラックスした状態で始めましょう。1日の締めくくりに、夜寝る前に布団の上で行うのもおすすめです。

(2)両手・両足を天井に向けて上げます。手と足は床に対して垂直になるようにして、30~60秒間、手足をブルブルと小刻みにゆすります。これを3回繰り返します。

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【Point】
手足に力を入れないよう、できるだけ脱力して手首や足首を小刻みにゆすりましょう。

《応用》
両手・両足を上げるのが辛い人は、片手・片足だけでも大丈夫。片方ずつ、交互に手足をブルブルさせましょう。できるところからチャレンジしてみて。

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【基本のゴキブリ体操】もっとラクなやり方

(1)あおむけになって足は肩幅に開き、両手は体の脇に置きます。

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(2)足だけを天井に向けて上げます。足は床に対して垂直になるようにします。名称未設定 2 のコピー.jpg

(3)そのまま、両足を壁やイスに立てかけます。3~5分と少し長めに行いましょう。名称未設定 3 のコピー.jpg

【基本のゴキブリ体操】もっともっとラクなやり方

(1)あおむけになって足は肩幅に開き、両足をまっすぐ伸ばします。

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(2)そのままの状態で、つま先を前後にゆっくり10回動かします。

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(3)次につま先を外回りに5回、内回りに5回、グルグル回すことを3セット繰り返します。基本のゴキブリ体操と組み合わせて行うとより効果的。

名称未設定 5 のコピー.jpg【基本のゴキブリ体操】もっとハードなやり方

(1)あおむけになって足は肩幅に開き、両手は体の脇に置き、床を押さえます。

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(2)両足を上げて、自転車のペダルをこぐように左右の足を交互に10回転させることを3セット繰り返します。手足をゆするゴキブリ体操と組み合わせて行うとより効果的。名称未設定 4 のコピー.jpg

もし、両手・両足を上げたままで動かすのが辛いという方は、片手・片足ずつ震わせる、または足だけ震わせる、足首を回すなどのバリエーションもありますので、そちらを試してみてください。

これがラクにできるようになったら、徐々に時間を長くしたり、回数を増やしたり、両手・両足にしてみたりと、レベルアップさせましょう。

反対に基本のゴキブリ体操が物足りなくなってきたり、より効果のある体操を試してみたいと思ったら、足を自転車をこぐ要領で回す体操にチャレンジしてみましょう。

寝たまま足を回すだけですが、下半身全体を大きく使うので、少し汗ばむぐらいの運動量になります。

ここで紹介した体操はとても簡単ですが、それでも毎日続けるとそれなりに筋力がついてきて、物足りなくなってくるはずです。

とはいえ、がんばりすぎは禁物。

あくまでも、継続して毎日行うことが静脈瘤の症状を解消する第一歩ですから、毎日続けられる範囲で行いましょう。

足の症状がラクになってきた実感がわくとさらに続けたくなりますので、ぜひ毎日こまめに行ってください。

【次回】日帰りでできて保険適用の最新治療。下肢静脈瘤が治る「グルー治療」とは?/下肢静脈瘤の治し方

【まとめ読み】『下肢静脈瘤の治し方』記事リスト

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命にかかわる病気? 血栓がとぶ? 手術しないと治らない? など下肢静脈瘤への疑問が解決します。

 

広川雅之(ひろかわ・まさゆき)
1962年、神奈川県生まれ。お茶の水血管外科クリニック院長、東京医科歯科大学血管外科講師、医学博士、外科専門医、脈管専門医。高知医科大学卒業後、ジョーンズホプキンス大学医学部留学、東京医科歯科大学血管外科助手などを経て現職。東京医科歯科大学血管外科で静脈の病気を専門として診療を行い、内視鏡的筋膜下穿通枝切離術(99年)、日帰りストリッピング手術(2000年)、血管内レーザー治療(02年)など、下肢静脈瘤の新しい治療法の研究・開発を行っている。

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『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』

(広川雅之/毎日が発見)

長年、下肢静脈瘤を治療してきた名医が、治し方をやさしく解説します。すべての患者に薦めるという「1分体操」をカラー写真で分かりやすく紹介。保険治療となった日帰りの「最新手術法」も詳しく掲載しています。

※この記事は『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』(広川雅之/毎日が発見) からの抜粋です。
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