尿漏れは「トレーニング」と「食生活」で治す!/尿漏れ解消(3)

pixta_28492827_S.jpg

前の記事「骨盤底筋って体のどの辺りにあるの? どんな役割?/尿漏れ解消(2)」はこちら。

基本はトレーニング 。食生活の見直しも大切

体の筋力は、年とともに低下し、動かさないと、手足の筋量も減っていきます。緩んだ骨盤底筋も、放置していると機能は落ちていきます。トレーニングで強化することが大切です。立った姿勢で行うトレーニングは、ヒップアップ効果も期待できます。 「立った姿勢のトレーニングでは、背筋をピンと伸ばして行うのがコツです。壁に背中をくっつけて伸ばすとよいでしょう。正しい姿勢で行うことが大切です。ご自身で正しく行うことが難しい場合は、専門家の指導を受けて行うことをおすすめします」とLUNA骨盤底トータルサポートクリニック院長の中村綾子先生。

そもそも骨盤底筋の位置を把握するのは難しいもの。お尻をキュッと締めるのも、どうしたら正しく行えるのか理解できないこともあります。中村先生の「LUNA骨盤底トータルサポートクリニック」では、専門トレーナーによるマンツーマン指導を行っています(1回 30分、 5000円+税)。個室で他人の目を気にすることなく、正しい方法を身に付けることで、日常的なトレーニングの効果が高まります。

「尿漏れが軽症から中等度の方は、骨盤底筋トレーニングと同時に、骨盤底筋を矯正するパンツを活用するとより効果的です。矯正パンツは、自然に骨盤底筋を引き締める作用があります」 矯正パンツと尿漏れパッドを併用すると、安心してお出かけすることもでき、同時に骨盤底筋を鍛えることにもつながります。でも、矯正パンツに頼り過ぎてはいけないそうです。パッドを着けっ放しにすると、尿意を感じずに尿漏れをしてしまう癖がつきやすいため、外出のときだけ使うなど限定的な使用が効果的。同時に、日々の骨盤底筋トレーニングも欠かさずに行うようにしましょう。

「過活動ぼうこうで頻尿の方は、訓練で改善することがあります。ぼうこうに尿をためる訓練で、トイレに行きたくなったら5秒だけ我慢します。5秒の我慢ができるようになったら10秒我慢する。数カ月かけて少しずつ時間を延ばしていく訓練です。我慢できないときには、無理せずに受診してください」

骨盤底筋トレーニングやぼうこう訓練、矯正パンツの適切な使用に加え、食生活の見直しも大切になります。頻尿の人は、1日2リットル以上の水分の摂り過ぎに加え、ぼうこうを刺激しやすい食べ物を摂っているケースも。コーヒーやワイン、大豆製品、トマトやかんきつ類は、ぼうこうに刺激を与える食べ物です。頻尿に悩む人は、これらを控えたり、適量に抑えることが大切になります。人によって刺激物は異なりますので、「これを食べたらトイレに行きたくなった」という食材は、控えるようにしましょう。

「腹圧性尿失禁では、便秘に悩む患者さんが多いといえます。 食物繊維を多く含む野菜などを食事にふんだんに取り入れるなど、食事内容を見直すことが重要です。それでも便秘が改善しない場合は漢方などが効果的なことがあります。しゃがむ姿勢や重い荷物を持つことなど、腹圧をかけやすい日常の動作も見直してください」と中村先生。 骨盤底筋の緩みを解消して、 楽しい生活を取り戻しましょう。

 

最新治療法 その1

ボトックス
治りにくい切迫性尿失禁に対して、米国泌尿器科学会は、ボトックスという筋肉の緊張を緩める薬をぼうこうに注射することが有効であることを発表しました。日本でもできる病院は限られますが、この治療が行われるようになっています(保険適用外)。

 

最新治療法 その2

磁気刺激療法
骨盤底筋を鍛えるのはトレーニングが基本ですが、症状が改善しないときの治療の選択 肢の一つに、磁気刺激療法(※)があります。骨盤底筋や神経へ体外から磁気刺激を行うことで改善効果が期待できます。欧米では、約85%の患者に有効との報告も。
※保険診療と保険適用外の両方あり。医療機関ごとに施設基準に該当していれば保険診療となる。

 

次の記事「さっそく実践! 骨盤底筋を鍛えるトレーニング/尿漏れ解消(4)」はこちら。

取材・文/安達純子 

↓↓軽い尿漏れでも外出安心! 中村綾子先生と共同開発しました↓↓

<教えてくれた人>
中村綾子(なかむら・りょうこ)先生
LUNA骨盤底トータルサホ゜ートクリニック院長。2007年横浜市立大学医学部卒業。みなと赤十字病院、横浜市立大学附属病院、藤沢市民病院、横浜保土ヶ谷中央病院勤務を経て2017年4月より現職。泌尿器疾患を数多く治療している。
この記事は『毎日が発見』2017年11月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP