50歳を超えると特に気になる「将来の認知症」。年齢とともに認知症になるリスクは上がり、65歳以上では7人に1人が発症するというデータがあります。そこで、日本認知症予防学会理事長の浦上克哉先生に教えていただいた「認知症を防ぐための12の方法」の1つ、「補聴器を使う」効果についてご紹介します。
【認知症を防ぐ方法⑧】補聴器を使う
近年、難聴と認知症との関係について研究が進んでいます。
アメリカの大学の研究によると、難聴の程度が重くなるほど、認知症になるリスクが上がることが示されています(下図参照)。
難聴になると認知症のリスクが上がる
聞こえが悪い人は、耳から脳に伝わる音の情報が減り、認知機能が低下してしまいます。
また、話が聞き取りにくいため、人との付き合いを避けようとすることも、認知症を招く要因に。
以前は、難聴がかなり進行してからでないと補聴器を使わないのが一般的でした。
「認知症を予防するためには、軽度の難聴のうちに補聴器を使い始めることが重要です。聞こえが悪いと感じたら、早めに補聴器をつけるようにします」と浦上先生。
取材・文/松澤ゆかり 撮影/木下大造 イラスト/落合 恵