糖質制限は便秘の原因の一つ! 実は、炭水化物は食物繊維が豊富で腸内環境にいい

炭水化物はダイエットの大敵で、糖質だから食べる量を減らしたほうがいい...そう思っている方、いませんか? でも、「腸活先生」と呼ばれる笠岡誠一先生は「これらの考え方は間違いで、冷まして食べるだけで、とても体によくなります」と言います。そこで、笠岡さんの著書『腸活先生が教える病気を遠ざける食事術 炭水化物は冷まして食べなさい。』(笠岡誠一/アスコム)より、「炭水化物を健康食に変える一工夫」や「冷ましたご飯が腸内環境改善につながる理由」などをお届けします。

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炭水化物の摂取量は年々減少している

日本人は遺伝的に炭水化物を食べるのに適しているにもかかわらず、その摂取量は年々減少しています。

1951年には1日に平均424グラムだったのが、2006年には264グラムに落ち込んでいます。

主食であるお米の消費量は、ピークの1962年から半減。

当時は1日約2合のお米を食べていましたが、現在はその半分です。

その結果、何が起きているかというと、日本人は、栄養素の摂取バランスが崩れると同時に、危機的なエネルギー不足にも陥っているのです。

現在の日本人はこれだけ飽食の時代でありながら、一日の摂取エネルギー量は、戦後すぐと同程度にまで減少しています。

エネルギー不足が、からだにどんな問題を引き起こすか解説していきましょう。

人間は、何もせずじっとしているときでも、心拍、呼吸、体温の維持などの生命活動を続けています。

このとき使われるエネルギーを基礎代謝といいます。

炭水化物が不足していると、基礎代謝をはじめとするエネルギー消費を、生命活動に不可欠なタンパク質などで賄まかなわなくてはなりません。

現在の日本人は、炭水化物の摂取が激減している一方、その代わりに脂質の摂取量を増やすことで、なんとかエネルギーを確保し、命を存続させようとしているのです。

エネルギー不足が命に関わる疾患を引き起こす

ダイエット目的で、炭水化物の摂取を減らして、脂質の摂取も減らすとエネルギー不足になります。

基礎代謝を賄うためのエネルギーをからだの中にあるタンパク質から作り出しますが、その際、さまざまな問題が生じてしまいます。

まず、自分の筋肉を分解してエネルギーを作り出すため、どんどん筋肉量が低下してしまいます。

骨まで悪影響を及ぼし、骨粗しょう症が発症する危険性も指摘されています。

タンパク質の分解物が血液の浄化装置、腎臓に負担をかけて、内臓疾患のリスクを高める可能性もあります。

炭水化物や脂質を減らすかわりに、タンパク質の摂取を極端に増やすことも、からだへ負担をかけることになるのです。

繰り返しますが、長期間にわたって炭水化物の摂取を大幅に減らすと、心臓病による死亡率が50パーセント近くも増加するという報告もあります。

つまり、炭水化物の摂取量を減らしてしまうと、そのためにタンパク質が代理で使われるため、本来タンパク質が担うべき役割を全うできなくなってしまい、からだにさまざまな不調や病気が生じてしまうのです。

特に、高齢者は注意が必要です。

高齢者は、タンパク質がエネルギーとして使用されてしまうと、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、からだはどんどん老化してしまいます。

高齢になってきたら、医師などの指示がない限り、炭水化物の摂取量を減らさないことが原則です。

意外と知らない、炭水化物の役割

炭水化物が毎日の食事に欠かすことができないのは、エネルギー摂取のためだけではありません。

「炭水化物=糖質」と認識されている人が多いかと思いますが、炭水化物の中には糖質のほかにも「食物繊維」が含まれています。

食物繊維と聞くと、野菜のイメージが強いかと思います。

しかし、穀類やイモ類、豆類にも食物繊維は豊富に含まれているのです。

それどころか、日本人は食物繊維をお米から一番多く摂っています。

そのため、糖質制限をすると、便秘になってしまう人が多いのです。

お米には、でんぷんや食物繊維のほか、タンパク質まで含まれています。

しかも、お米のタンパク質には健康に欠かせない必須アミノ酸がすべて含まれています。

また、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれており、大変優れた栄養食といえるでしょう。

お米の栄養素の中でも見逃せないのは、やはり食物繊維の存在です。

現代人は食物繊維の摂取量が足りていません。

健康のために野菜を食べている人は多いかと思いますが、効率的に食物繊維を摂るには、米などの炭水化物をたっぷり摂取することが必要だったのです。

1955年時点で、日本人の食物繊維の摂取量は約22グラムありました。

しかし、2018年には約14グラムに減少しています。

実は、この減少した分のうち、約6グラムが米や麦などの穀物による摂取量です。

しかも、この数値には、「レジスタントスターチ」の量がほとんど含まれていません。

レジスタントスターチは食物繊維と同じ働きをする糖質(でんぷん)ですが、測定法が確立されたのは近年のこと。

そのため、穀類やイモ類などの炭水化物に含まれるレジスタントスターチの量を加算すると、1955年時点の日本人は、さらにたくさんの食物繊維を摂取していたことになります。

食物繊維の摂取量の減少は、日本人の健康に何をもたらしたのでしょうか。

奇しくも1955年頃から、悪性新生物(がん)や心疾患の罹患率は上昇しています。

メタボリックシンドローム、高血圧、脳血管疾患、糖尿病など生活習慣病全般が増加傾向にあります。

特に糖尿病。

炭水化物の食べすぎが血糖値の上昇をもたらし、それが糖尿病の原因の一つとされていますが、炭水化物の摂取量はむしろ減っているのです。

にもかかわらず、なぜこんなにも日本人は「不健康」になってしまったのか。

それは炭水化物から摂取する食物繊維が減ってしまったため、腸内環境が乱れに乱れているからです。

私は、腸内環境を整えることこそ、肥満を防止し、健康長寿を実現するための正しい道であり、最短の道であると考えています。

私たちは今すぐ「腸活」を始めなければなりません。

そのためには、炭水化物をたっぷり食べることが必要なのです。

炭水化物は食物繊維&レジスタントスターチのダブルで腸活!

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【まとめ読み】『腸活先生が教える病気を遠ざける食事術 炭水化物は冷まして食べなさい。』記事リストはこちら!

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冷製の「炭水化物」が腸内環境を整え、日本人の健康につながる理由が全4章にわたって紹介されています。

 

笠岡誠一(かさおか・せいいち)
文教大学健康栄養学部教授、管理栄養士/「山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員→文教大学専任講師→アメリカ国立衛生研究所客員研究員」を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、このハイパー食物繊維「レジスタントスターチ」を増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでも幅広く活躍中!

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『腸活先生が教える病気を遠ざける食事術 炭水化物は冷まして食べなさい。』

(笠岡誠一/アスコム)

炭水化物は糖質が多いから体に悪い! そんな誤った情報に警笛を鳴らし、「日本人にはご飯が必要だ」と栄養生理学の観点から説明した話題作。「炭水化物を冷まして食べると太りにくい」という新しいご飯の食べ方をわかりやすく解説しています。日本人の主食であるご飯を中心にした炭水化物と腸内環境の関係を徹底解剖し、健康へと導く提案をしてくれる一冊です。

■『腸活先生が教える病気を遠ざける食事術 炭水化物は冷まして食べなさい。』の紹介動画もチェック!

※この記事は『腸活先生が教える病気を遠ざける食事術 炭水化物は冷まして食べなさい。』(笠岡誠一/アスコム)からの抜粋です。
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