「原因不明」なため予防法はないけれど...。「パーキンソン病」のリスクを下げる考え方

「パーキンソン病」をご存じでしょうか? 脳の異常のために、体の動きに障害が現れる病気で、日本での患者数は約20万人ほどと言われています。原因は不明で、難病指定されていますが、適切な対処法はある、といいます。そこで、東京医科大学病院 脳神経内科主任教授の相澤仁志(あいざわ・ひとし)先生に「パーキンソン病の予防」について教えていただきました。

予防するには...

原因が不明なため予防法はありませんが、日常的にバランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。

リスクとして考えられるものは...?

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●加齢
国内でのパーキンソン病患者は65歳以上が多いのですが、40代で発症することも。加齢に加えて遺伝も関わることがあります。

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●除草剤、殺虫剤、農薬
これらの薬剤を扱うときには、当然のことながら慎重に。また、野菜は洗ってから食べるなど、ちょっとした心がけも大切です。

リスクを下げるのではないかと考えられているのが...

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●適量のアルコールやカフェイン摂取
アルコールが血流を良くして交感神経を高め、カフェインが興奮抑制作用の働きをブロックすることが関係しているといわれます。アルコールやカフェインを摂れば病気にならないというわけではないので摂り過ぎに注意しましょう。

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●画像診断もできる
ドパミン神経の減少が目で見て分かる画像診断は、早期発見&治療開始に役立ちます。

軽度の症状が現れたときには「リハビリで行う運動」を

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●足の筋力の維持
背中とかかとを壁につけた状態から、ゆっくりしゃがんだり立ち上がったりする。

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●歩幅を大きくする
手すりをつかみ、歩幅と腕の振りを意識してできるだけ大股でゆっくりと一定のスピードで歩く。

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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>
東京医科大学病院 脳神経内科主任教授
相澤仁志(あいざわ・ひとし)先生
1982年旭川医科大学卒。東京大学医学部神経内科、ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院、旭川医科大学神経内科、国立病院機構東京病院などを経て2013年より現職。

この記事は『毎日が発見』2020年8月号に掲載の情報です。

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