頭痛や腹痛などのちょっとした体の不調。病院に行くほどでもないものの、どうにかしたいですよね?こうした不調は、「自分の体に合った食べものを摂ればだんだんと改善される」と漢方薬剤師の杉山卓也さんは言います。そこで、東洋医学に精通する杉山さんの著書『不調が消える食べもの事典』(あさ出版)から、食べもので健康をキープする「食養生」の始め方と「旬食材の効能」の一部をお届けします。
葛(くず)
●この不調に効く!
発熱・首こり・肩こり・骨粗鬆症(予防)・便秘(発熱時)
●効能・効果
体の余剰な熱や首や肩などのこわばりを取り除き、汗をかかせる発汗作用があります。
ほとんどがデンプン(炭水化物)でありながら、イソフラボンの誘導体やリンなどを含み、骨粗鬆症の予防効果があります。
整腸作用もあるので、発熱による便秘の際に摂ると良いでしょう。
●養生法
涼性のため、食べ続けると体が冷えるので注意しましょう。
発汗を促し、体の熱を取り除くので、肩こりや首こりがある場合は、葛湯などにして摂ると良いでしょう。
●豆知識
葛根は、辛涼解表薬という生薬であり、「葛根湯」は葛の根を乾燥させたものです。
風邪のひきはじめに飲むと効果が発揮されますが、長期的に使い続けるのではなく、発熱時に短期的に使うようにすると良いでしょう。
●相性のいい食材
ショウガ:体を温める食材と合わせると、体を温めながら汗をかくことができるので、冷え性の方におすすめです。
シナモン(桂皮):発汗作用をもつ食材を合わせると、体内にこもった悪い熱をより取り除くので、首こりや肩こりの改善に効果があります。
●属性
涼性・甘辛味・通年
●作用
滋養作用・弛緩作用・発散作用・運行作用・清熱作用・発汗作用・整腸作用
おすすめレシピ
渇きやほてりを感じている方のおやつに最適!「葛まんじゅう」
体に潤いを補って余剰な熱を冷ましてくれる「葛」を使った和菓子です。
材料(2個分)
・葛粉 15g
・砂糖 15g
・水 75ml
・こしあん 20g
・きなこ お好みで
作り方
① 鍋に砂糖を入れ、水と葛粉を加えてよく混ぜる
② ①を強火にかけ、木べらで2分ほど混ぜる
③ 半透明になったら、弱火で全体が透明になるまで練る
④ ラップを広げ、③を2つに分けて丸く包む
⑤ ④の口をゴムで留めて、冷水で冷やす
⑥ 器に盛って完成。お好みできな粉をまぶしてください
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野菜、果物、魚介、肉!食べもの80種類+生薬10種類の効能と食べ方がわかります。不調が起きるメカニズムも