頭痛や腹痛などのちょっとした体の不調。病院に行くほどでもないものの、どうにかしたいですよね?こうした不調は、「自分の体に合った食べものを摂ればだんだんと改善される」と漢方薬剤師の杉山卓也さんは言います。そこで、東洋医学に精通する杉山さんの著書『不調が消える食べもの事典』(あさ出版)から、食べもので健康をキープする「食養生」の始め方と「旬食材の効能」の一部をお届けします。
杏子
●この不調に効く!
免疫力の低下・がん(予防)・便秘・冷え性・血行不良・空咳・咳・乾燥肌・精神の不安定・老化
●効能・効果
βカロテンが豊富で、免疫力アップやがんの予防効果があります。
豊富な水溶性食物繊維(ソルビトール)は便通の改善、ビタミンEは体を温めて、血行を促進する効果や空咳の改善効果もあります。
肺を潤す作用は、咳や乾燥肌にお悩みの方に、心の働きを元気にすることによる養心安神作用は、不安感の強い方におすすめです。
●養生法
腎の陽気を補い、腎を温めるので、老化防止や免疫力を高めます。
加齢による免疫力の低下に悩む方は、積極的に食べると良いでしょう。
●豆知識
やや酸味が強いので、胃腸が弱い方には刺激になることがあります。
胃酸の多い方や胃部に炎症がある方などは、控えたほうがいいでしょう。
また、種には毒性があるので食べないでください。
●相性のいい食材
桃:温性の食材と合わせると、冷え性の改善や血行促進の働きが強まります。
レモン・オレンジ:柑橘系の食材と一緒に食べると、養心安神作用が高まるので、イライラの解消により効果的です。
●属性
温性・甘酸味・夏
●作用
滋養作用・弛緩作用・収斂作用・固渋作用・補陰作用・養心安神作用
●このタイプにおすすめ!
心気虚タイプ・肺陰虚タイプ
おすすめレシピ
イライラ解消!「杏子とミカンの皮のジャム」
温性で理気作用をもつ杏子とミカンの皮を合わせてジャムにすることで、イライラを解消する効果をもちます。
作り置きしておき、パンやヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。
材料(200g)
・杏子 100g
・ミカンの皮 100g
・グラニュー糖 140g
作り方
① 杏子は種とヘタを取り除き、ミカンの皮は薄く切る
② 鍋に①を入れ、グラニュー糖を全体にかけるようにして入れる
③ ②を3~4時間そのまま寝かせる
④ ③を中火で2時間程度煮込む
⑤ ④を冷まして完成
【最初から読む】漢方のスペシャリストが教える「食養生の始め方」
野菜、果物、魚介、肉!食べもの80種類+生薬10種類の効能と食べ方がわかります。不調が起きるメカニズムも