足がだるい、むくむなどの不調は足の疲れが原因だと思っていませんか? もしかしたら「下肢静脈瘤」の予兆かも。まずは体操、マッサージで改善を! 北青山Dクリニック院長の阿保義久(あぼ・よしひさ)先生に、「下肢静脈瘤」のタイプや最新治療法について教えていただきました。
静脈瘤になった血管をふさぐ治療が主流
下肢静脈瘤は、体操やマッサージなどで症状を緩和できます。
ただし、「急に症状が悪化するような病気ではありませんが、症状によっては受診をおすすめします」と阿保先生。
受診の目安は、ふくらはぎの見た目が気になり、それがストレスになっているときや、ふくらはぎを気にせずにスカートをはきたいときなどです。
治療を受ける場合は「血管外科」や「心臓血管外科」を受診します。
下のように下肢静脈瘤は、足のどの部位に発生したかによって五つのタイプに分かれます。
治療法はタイプごとに異なり、タイプによって保険適用の治療と保険適用外の治療があります。
「静脈瘤を起こした血管を閉鎖して、血液の逆流を止める治療が主流です。閉鎖した血管は体に吸収されて消滅するので、血液はほかの血管に迂回して流れます」
下肢静脈瘤の五つのタイプと最新治療法
1.伏在(ふくざい)型静脈瘤
≪大伏在静脈瘤≫
・大伏在静脈にできるボコボコとした膨らみ。
・足の付け根、太ももの内側や裏側、ひざから足首にかけての外側にできる。
≪小伏在静脈瘤≫
・小伏在静脈にできるボコボコとした膨らみ。
・ふくらはぎ、ひざの裏側、足首の後ろなどにできる。
【伏在(ふくざい)型静脈瘤の治療法】※保険適用
血管内焼灼(しょうしゃく)術
血管に細い管を入れてレーザーや高周波で血管を内側から焼いて閉じる。現在、最も多く行われていて日帰り手術が可能。
接着治療(グルー治療)
血管内に入れた管から医療用の瞬間接着剤を注入して血管をふさぐ。2020年4月から保険適用の最新治療。
2.側枝(そくし)静脈瘤
・細い静脈にできる小さめの膨らみ。
・ひざから下にできる。
【側枝(そくし)静脈瘤の治療法】※保険適用
硬化療法
注射で血管の中に硬化剤を入れて、血管の内側から血管をふさぎ固める。
3.陰部静脈瘤
・卵巣や子宮周辺の静脈からの逆流で起こる斜めに細い膨らみ。
・足の付け根から太ももの裏側にできる。
【陰部静脈瘤の治療法】※保険適用
硬化療法
注射で血管の中に硬化剤を入れて、血管の内側から血管をふさぎ固める。
4.網目状静脈瘤
・皮膚に近い直径2~3mmの細い静脈にできる網目状の青い筋。
・太ももの裏側、ひざの裏側などにできる。
【網目状静脈瘤の治療法】※保険適用外
医療的な治療は行わない。体外照射型のレーザー治療
見た目が気になる場合に行う美容的な保険適用外治療。皮膚の上からレーザーを照射し血管を縮ませてふさぐ。
5.クモの巣状静脈瘤
・皮膚表面の毛細血管にできる放射線状の赤紫色の筋。
・ひざの裏側、ふくらはぎなどにできる。
【クモの巣状静脈瘤の治療法】※保険適用外
医療的な治療は行わない。体外照射型のレーザー治療
見た目が気になる場合に行う美容的な保険適用外治療。皮膚の上からレーザーを照射し血管を縮ませてふさぐ。
【まとめ読み】特集「下肢静脈瘤を体操とマッサージで治しましょう」記事リスト