骨は40歳ごろまでは一定量を維持しますが、以降は加齢とともに骨づくりの速度が衰え、徐々に骨量が減少します。そこで、ぜひ毎日コツコツ行いたいのが「60行骨たたき」。これは、医学博士の中村光伸先生の考案によるもの。骨に刺激を与え「オステオカルシン」という非コラーゲン性たんぱく質の働きを高めることで、骨を丈夫にできる、とても簡単な健康法なのです。ぜひ、試してみてください!
40歳前後から骨量は減少します。骨をたたいて再構築!
骨は男女とも20歳前後で最大骨量に達し、40歳ごろまでは一定量を維持します。
しかし、それ以降は加齢とともに骨づくりの速度が衰え、徐々に骨量は減少します。
「骨粗鬆症の原因は骨の新陳代謝のバランスが崩れることです。特に更年期障害によって起こる女性ホルモン『エストロゲン』の急激な減少は、骨の代謝バランスを悪くします。それにより破骨細胞が骨芽細胞の働きを上回ります」と、解説してくれたのは中村先生。
最近は40・50代の女性でも偏食やダイエットなどの影響で骨粗鬆症になる人が増えているそうです。
また、男性は急な骨の変化は見られませんが、65歳前後から骨粗鬆症のリスクが高まり始めます。
実は、1990年以降に骨芽細胞から分泌される「オステオカルシン」という非コラーゲン性たんぱく質が発見されました。
この成分には近年さまざまな働きがあることも分かってきました。
「オステオカルシンは骨の石灰化とカルシウムイオンの恒常性維持、全身の細胞代謝に関与することが見つかっています。つまり、オステオカルシンの働きを高められたら骨を丈夫にできるのです。そのために必要なのが刺激です」
そこで、モニターに骨たたきを2カ月間行ってもらってオステオカルシンの数値を調べたところ、通常よりも20%増えたと言います。
「毎日コツコツと骨たたきをすれは骨に刺激を与えられます。すごく簡単にできる健康法です」
医学博士 中村光伸先生
◆1分間の骨たたきを2カ月間続けるとオステオカルシンが増加
30代後半女性、40代前半女性、50代前半女性のモニターに2カ月間『骨たたき』を実施。オステオカルシンの数値を調べました。すると、2カ月後には全員が約20%増加する結果に。
座ったままで「ひざコツコツ」
【座って60秒間×左右交互にたたく】
背もたれに背中が触れないようにひざを90 度に曲げ、正しい姿勢で座ります。そのままの状態で60秒間、ひざの上の辺りをこぶしで交互にたたきます。この体操が基本形。1日に合計100回を目指しましょう。
詳しい記事はこちら:骨が丈夫に!座ったままで「ひざコツコツ」/60秒骨たたき(1)
手のひらコツコツ
【座って60秒間×胸の前でたたく】
正しい姿勢で座り、手を大きく開いて胸の前で勢いよく合わせます。それを60秒間繰り返します。
詳しい記事はこちら:座って手をたたいて...骨粗鬆症を予防!「手のひらコツコツ」/60秒骨たたき(2)
うでコツコツ
【座って60秒間×左右30秒ずつたたく】
座った状態で片方のひじを曲げて上げ、もう片方のこぶしでひじ関節以外を60秒間たたきます。
詳しい記事はこちら:腕をたたいて...骨を丈夫に!「うでコツコツ」のススメ/60秒骨たたき(3)
足踏みコツコツ
【立って60秒間×その場で足踏み】
まっすぐ正しい姿勢で立ち、60秒間足踏みをします。足を地面につけるのはかかとから。目安は1日100回。
詳しい記事はこちら:40代から心がけて! 骨を丈夫にする「60秒間の足踏み」のススメ/60秒骨たたき(4)
かかとコツコツ
【立って60秒間×かかとを上げ下げ】
壁に手を添えてまっすぐ立ち、かかとを高く上げて下ろします。これを60秒間繰り返します。
詳しい記事はこちら:かかとの上げ下げで骨が丈夫に!「かかとコツコツ」のススメ/60秒骨たたき(5)
取材・文/木之下潤 撮影/齋藤ジン イラスト/角 裕美 モデル/永谷佳奈