ヘアサイクル、乱れていませんか?「女性の薄毛」の基礎知識

歳を重ねるごとに、増える髪のお悩み。髪型は見た目を大きく左右するからこそ、悩みも深くなりますね。Dクリニック大阪 ウィメンズ院長 脇坂長興(わきさか・ながおき)先生に、女性の薄毛の原因や治療法を教えていただきました。

pixta_38184258_S.jpg

ヘアサイクル(毛周期)の乱れも一因に

加齢とともに増える薄毛の悩み。

命に関わる病気ではありませんが、見た目を気にして、人に会うのが億劫になるなど日常に支障を来します。

髪の毛は、毛根のいちばん下にある「毛球部」の「毛乳頭」から栄養を受けた「毛母細胞」が細胞分裂を繰り返し、作られた毛が押し上げられて毎日成長しています。

自然に抜け落ち、やがて新しい毛に生え変わるのは、2~7年のヘアサイクルがあるため。

3つのステージ「成長期」、「退行期」、「休止期」があり、何らかの理由でこのヘアサイクルが乱れると、薄毛を引き起こします。

「びまん性脱毛症」は、加齢による生理的な変化により休止期が長くなり、頭部全体の毛髪が徐々に少なくなっていきます。

「男性型脱毛症」は、男性ホルモンの影響で成長期が短くなり、毛髪が十分に成長する前に抜け落ちます。

毛髪の本数は変わらないものの、細く短くなり、分け目が目立つようになります。

男性脱毛症には女性ホルモンの減少も影響します。

「休止期脱毛症」はストレスによる血行不良や毛根の萎縮、甲状腺疾患や膠原病などで引き起こされます。

過度なダイエットによる毛根への栄養不足や酸素不足、睡眠不足・喫煙・運動不足などの生活習慣の乱れ、皮膚炎など、さまざまな原因でも抜け毛が増えます。

そもそもの「発毛のしくみ」

2006_p090_01.jpg毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、毛球部で作られた毛が上に押し上げられる。

薄毛の一因「ヘアサイクルの乱れ」とは

2006_p091_07.jpg

正常時は上記サイクルですが、乱れると毛が太くなる前に抜け落ちるようになってしまいます。以下で詳しく見てみましょう。

●成長期(2~7年)

2006_p091_01.jpg

成長が始まる

2006_p091_02.jpg

毛が太くなる

2006_p091_03.jpg

毛が太く成長する

この期間が短いと薄毛になる:「男性型脱毛症」

退行期(2週間)

休止期に移行する時期のことです。

2006_p091_04.jpg

毛球の退縮が始まる

2006_p091_05.jpg

毛球が完全に退化する

休止期(3~4カ月)

脱毛し、同じ毛穴から新しい毛が生まれます。

2006_p091_06.jpg

この期間が長いと薄毛になる:「びまん性脱毛症」。

女性の薄毛はこうなっています

女性

2006_p091_08.jpg●全体的に毛髪が少なくなる。髪の毛自体が細くなる...びまん性脱毛症

●頭頂部から前頭部、分け目が目立つようになる...男性型脱毛症

男性

2006_p091_09.jpg●額の左右両方の生え際が後退し、額が広くなる。

●頭頂部のつむじ部分から薄毛になり、次第に薄毛部分が円形に広がっていく。

発毛剤は地道に使い続けることが必要

びまん性脱毛症や男性型脱毛症には育毛剤や発毛剤が有効です。

育毛剤は頭皮の血の巡りを良くするなどして、現在ある毛髪を守ります。

発毛剤は髪の毛の製造工場である毛根で毛母細胞を分裂・増殖させ、速く太く長く発毛させます。

発毛有効成分「ミノキシジル」配合の外用薬(1%と5%のものがある)が市販されているので、使用してみるのもよいでしょう。

効果が出るまで6カ月程度は使い続けることが必要です。

また良質なたんぱく質や鉄分、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB群を積極的に摂ることも大切です。

豚肉料理が手軽でおすすめです。

皮膚科で頭皮の状態を診てくれますし、女性の薄毛を外用薬、内服薬、注射などで治療する専門病院もあります(円形脱毛症などを除き保険適用外)。

最適な治療メニューを組み立ててくれるので、一人で悩まず、相談してみてください。

髪のために気を付けたいこと 

・たばこを吸わない→血行が悪くなる

・過度な飲酒は避ける            

・栄養バランスに気を付ける         

・過度なダイエットはしない→鉄分不足や亜鉛不足は美しい髪を失う   

・ストレスをためない→ホルモンバランスが乱れて血行不良が起きる

女性の薄毛のまとめ

主な種類

・慢性のびまん性脱毛症...頭部全体で髪の毛が細くなる
・女性の男性型脱毛症...髪の毛が細く短くなって分け目が目立つ
・急性および慢性の休止期脱毛症...
・抜け毛が増えて髪の毛が少なくなる

主な治療法

・食事や生活習慣を改善する
・市販の育毛剤や発毛剤も有効
・原因となる病気を治療する
・頭髪専門病院にかかる

【まとめ読み】大人女性の気になる病気の情報はこちら!

取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子

 

<教えてくれた人>
Dクリニック大阪 ウィメンズ院長
脇坂長興(わきさか・ながおき)先生
1962年生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で「skin rejuvenation(※)」を研究。同大学幹細胞再生医学寄附講座講師、日本形成外科学会専門医。
※肌の若返りのこと。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP