<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:57歳の夫と2人の子供と暮らすパートの主婦です。
私(52歳)のパート先は、食品関係の製造業で、同年代の女性が多い職場です。
一緒に休憩を取る同じ部署のメンバーが10人ほどいるのですが、いつもお茶菓子を持ちより、他愛ない話に花を咲かせて楽しい時間を過ごしていました。
その中に、公私ともに姉妹のように仲が良い二人組、A子さん(50歳)とB美さん(48歳)がいたのですが、なぜかある日突然、険悪なムードになっていることに気付きました。
休憩室でいつもは隣り合わせで座る二人が、直接会話ができない両端の席にそれぞれ座っていたのです。
「あれれ? どうして離れて座るんだろう?」
そう思いましたが、お互いに視線を合わせない二人の様子に不穏な空気を感じて、そのことには触れずに休憩が終了。
しかし、仕事中も気になってしまい、作業をしながらもなんとなく二人の様子を見ていました。
仕事をする位置はA子さんとB美さんは隣り合わせで、いつもは小声で楽し気に会話をしながら作業をしている二人が、無言で黙々と手を動かしています。
「あらら、やっぱり、ケンカでもしたのかなぁ?」
なんて思って見ていると、年下のB美さんがA子さんに向かって何か言ったように見えました。
私のいる場所からは二人とも少し離れていたため内容は聞き取れませんでしたが、言っているときのB美さんの憎々し気な表情を見たところでは、たぶん悪口の類ではないかと思います。
するととたんに、年上のA子さんがみるみる顔を真っ赤にして大きな声で怒りだしました。
「B美さんのことをさんざん面倒みてやったのに、図々しい」
「何かをしてあげても礼のひとつもないし、感謝の気持ちがない」
そんな内容をまくし立てるA子さんの剣幕に、周囲の同僚も唖然。
しかし、B美さんも負けていません。
「誰も頼んでないのに、勝手におせっかいしてるのはそっちだ」
「年上ぶって上から目線で偉そう」
「前からうんざりしていた」
言い合いはエスカレートして、今にも手が出そうになったところで、騒ぎを聞きつけた男性社員(30代)が飛んできました。
「まあまあまあ、仲が良い二人がどうしたの?」
尚も興奮して怒鳴りあっている二人の間に入りなだめようとしますが、焼け石に水。
最初は冷静に話していた社員もだんだんイライラしてきたのか、声が大きくなってきます。
怒鳴り合うおばちゃん二人を止めようと、さらに大声を上げる社員。
それを遠巻きに見ているパートのおばちゃんという、なんとも殺伐としたその場は、社員が二人を事務所に連れていくことで収まりました。
しかし、二人が仲直りすることはありませんでした。
しばらく険悪なムードのまま半月ほど経過したある日、突然年下のB美さんがパートをやめるというなんとも後味の悪いものに......。
よくよく聞けば、B美さんはA子さんの紹介でパートを始めたとうのこと。
さすがに居づらくなったのだろうと古株の同僚が教えてくれました。
結局、ケンカの原因は何だったのか?
残ったA子さんの言い分によると、「私が休みの日に(私の)陰口を言っていたのが許せなかった」とのこと。
可愛さ余って憎さ百倍。
プライベートでも親しかっただけに、裏切られた反動も大きかったのでしょう。
B美さんにしてみれば、軽い愚痴を言っただけなのかもしれませんが、それがパート先を失う結果になるとは。
つくづく口は災いの元だと思いました。
そして、「あの人があなたの悪口を言ってたよ」と、わざわざ本人に教えた第三の人物が陰にいたことに思い至り、思わず冷や汗がたらり。
改めて、人の噂話をするのはやめようと心に誓った私です。
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