60代以上は4人に1人⁉ 家族にも感染する「爪水虫」って?

2019年、約10年ぶりに「皮膚真菌症診療ガイドライン」が改訂されました。中でも注目が、身近な感染症である爪水虫の適正治療です。国内の有病者数は推定約1100万人、60歳以上では4人に1人が罹患しており、治療中の患者は約100万人といわれています。今回は爪水虫について埼玉医科大学総合医療センター 皮膚科教授 福田知雄(ふくだ・ともお)先生に教えていただきました。

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自覚症状のない爪水虫。治療薬を正しく使い完治を

「爪が変形する「変色する「厚くなる」といった症状が見られたら、水虫菌(白癬菌(はくせんきん)・カビの一種)が爪の中に入り込んだ「爪水虫」の可能性があります。

その実態と治療法について、福田知雄先生に伺いました。

「爪水虫は多くの場合、足の水虫を放置するうちに白癬菌が爪に入り込み発症します。自覚症状がなく進行しますが、調査によると、10人に1人、60歳以上では4人に1人と推定されます」

爪水虫が60歳以上に多いのは、一度かかると根治せずに過ごす人が大半だからと福田先生は言います。

「爪水虫は、爪の中が白癬菌の〝蔵元〟になっており、放っておくと足に感染して足水虫を起こします。また、足だけでなく全身に感染したり、周りの人にうつすことも。さらに症状が悪化すると、転倒や糖尿病えそ性壊疽、生活の質の低下などにもつながります。そういった悪循環を防ぐためにも正しい治療が欠かせません」

爪水虫は市販薬では根治できないため、皮膚科を受診します。

爪の濁った部分を削って顕微鏡で観察し、白癬菌が見つかれば爪水虫と診断されます。

治療には、爪表面から薬剤を浸透させる塗り薬と、口から服用して血流から爪の病変部に到達させる飲み薬を使います。

「爪の中に白癬菌が入り込んでいる場合は、飲み薬で体の内側からアプローチしていく治療法が有効です。塗り薬とうまく使い分けることで、治療効果は高まります」

自己判断で薬をやめると、爪の中に白癬菌が残っている場合、高い確率で再発します。

爪水虫になった爪がきれいに生え替わるには半年から1年以上。

根気よい治療で、さらなる悪循環をストップさせましょう。

爪水虫とは...

カビの一種である白癬菌が、爪に感染して起こる感染症です。多くの場合、足白癬(足の水虫)が爪の先端や縁側から爪の下に侵入して起こります。

放っておくとどうなるの?

足や体に感染
白癬菌は皮膚の角質層に白癬菌は皮膚の角質層に頭など、全身に感染します。

持病の悪化や転倒
糖尿病の人は足壊疽を、高齢者は爪の変形や痛みで転びやすくなる人も。

家族に感染
水虫菌がいる皮膚のかけらが家中にばらまかれ、家族間で感染します。

予防は、足に水虫菌を寄せつけないこと!

バスマット
菌は足などからはがれ落ちた小さな皮膚のかけらの中にいるので、掃除機で吸い取れます。定期的に掃除機をかけ、しっかりと乾燥させます。洗濯も有効です。

スリッパ
バスマット同様、定期的に掃除機をかけることで菌を吸い取ることができます。

靴下
靴下の中に残った水虫菌を退治するため、洗うときは裏返しにして洗いましょう。洗濯で感染が広がる心配はありません。

構成・取材・文/笑(寳田真由美)

 

埼玉医科大学 総合医療センター 皮膚科教授

福田知雄(ふくだ・ともお)先生

1987年慶應義 塾大学医学部卒業、同大学医学部皮膚科入局。同大学医学部皮膚科助手、杏林大学医学部皮膚科講師、 東京医療センター皮膚科医長などを経て、2016年より現職。

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この記事は『毎日が発見』2020年4月号に掲載の情報です。

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