肌がカサカサで粉を吹く...悪化するとかゆみが生じる「乾皮症」の基礎知識

寒い冬の季節には空気が乾燥して、皮膚の乾燥やかゆみに悩まされる人が多くなります。
今回はひふのクリニック人形町院長・上出良一先生に、肌がカサカサして粉が吹く「乾皮症」(かんぴしょう)について教えていただきました。

pixta_53149851_S.jpg冬は気温の低下によって空気が乾燥し、皮膚のトラブルが多くなります。
とくに汗腺や皮脂腺の機能は加齢によって低下し、汗や皮脂の分泌が少なくなります。
新陳代謝が低下して、皮膚の水分を保つ機能も衰えるため、高齢の方ほど「皮膚が乾燥してカサカサする」、「白い粉を吹いたようになる」と悩みがちです。

肌がそのようになった状態を「乾皮症」といいます。
まだ「疾患」になる前の段階で、いわゆる「未病」と呼ばれるものです。

健康な肌と乾燥肌のしくみ

皮膚の構造

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皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。
表皮のいちばん表にある「角層」と「皮脂膜」が、肌の乾燥を防ぐ役割を持っています。

健康な肌

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皮脂膜:皮脂腺から分泌される脂と汗腺から出た汗が混ざり合った、天然の保湿クリーム状の膜です。
角質細胞間脂質:角質細胞の間を満たす脂質。主成分はセラミド。水分の蒸発を防ぐ。
天然保湿因子:水分を保持する物質。主体はアミノ酸で、角質細胞内で水分を保持する。

乾燥肌

2001p091_03.jpg老化などによって新陳代謝が低下すると、上記①~③が減り、角質細胞の隙間が増えて、水分が逃げたり、刺激から肌を守る機能が失われた状態になります。

こうなると、外部から保湿成分を補わない限り、肌の乾燥が止められず、乾皮症になってしまいます。

特に乾皮症になりやすいのは、女性ホルモンが低下した閉経後の女性や、70歳以上の男性です。
皮脂腺の少ない腕やわき腹、腰、なかでもひざ下に乾燥が見られます。
肩や肩甲骨、ふくらはぎは、衣服のこすれによって発疹ができたり、かゆみを引き起こしやすい部分です。

乾皮症は、ただの乾燥だと軽く受け止められがちですが、そこから病原菌などが侵入して、炎症を起こすおそれもあります。
悪化すると、炎症が全体に広がって全身に発疹ができたり、発熱を引き起こすことも。
さらに、眠れないほどのかゆみが生じたり、かゆみでイライラするなど、著しく生活の質が低下してしまいます。
きちんと対策をすることが大切です。

乾皮症の主な原因

・汗腺や皮脂腺の機能が低下して、汗や皮脂の分泌が少なくなる

・皮膚の新陳代謝が低下して、潤い機能が正常に働かなくなる

乾皮症の主な予防法

・保湿剤を使って皮膚の潤いを補う

・入浴時に体を強くゴシゴシ洗わない

・部屋の乾燥に注意する

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<教えてくれた人>

ひふのクリニック人形町院長
上出良一(かみで・りょういち)先生

1973年、東京慈恵会医科大学卒業。医学博士。日本皮膚科学会認定専門医。東京慈恵会医科大学客員教授。「アトピー性皮膚炎」「光線過敏症」「スキンケア」「褥瘡」についての論文多数。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。

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