アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と4ニャンとで暮らしています。 今から36年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:「嫁が働く間、子供の面倒見て欲しいんならな...」姑が実の息子に突き付けた「凄い条件」
夫が「仕事を辞めたい」と言う回数も増してきたある日、とある会社の新聞広告を目にした夫は面接を受けに出かけた。
内職と家事と子育てで忙しくしているところに一本の電話が入った。
出るとえらい剣幕の父だった。
久しぶりに聞く父の声だったが第一声がこれだった。
父「あいつの履歴書見たか!!」
夫が面接に行った先は、なんと父の建設会社が増改築を請け負っている会社だった。
夫の面接先を知らなかったと説明すると、父は捲し立てる様に続けた。
父「今日会社に寄ったらあいつを見掛けたんで部長に聞いたんや!
そしたら面接に来とるって話しで部長からは『身内やったら先に声掛けてくれたら』って言われたわ!
そやけどあいつの履歴書!
なんやあれ!!
職歴書く欄では書ききれんで!馬鹿正直にもレポート用紙にビッチリと職歴書いて来て!
今までどんだけ辞めて来とんねん!
それも資格は何一つ持ってない上に車の免許しか無い!
部長や常務から『これだけ辞め続けて来たら採れんで...』って言われてな!
部長や常務には子供も居る事やからワシの目の黒い内は絶対に辞めん様にさせますからって言うて採用して貰うように頼んだから!
あいつ辞めよったらただでは済まんからな!」
あぁ...
夫よ...、その会社を受けるんやったら言えよ...。
帰宅した夫に父から電話があった事を伝えると、少し驚いた表情にはなったが、だからと言って「じゃあ辞める」とは言わず、翌月からその会社に勤める事になった。
父からは特にその件で何も無かったが、夫からも父に対して礼の一つも無かった。
夫が新しい会社に勤める事になり、会社から仕事に必要な資格を取得する様に言われた。
元来勉強は好きだった夫なので、とんとん拍子に最上級の資格まで取得。
勿論資格取得の為の講習会や資格試験は「業務命令」の為に勤務中に受けに行き、テキスト等の費用も交通費も全て会社持ちだった。
ある時、姑から突然電話が掛かって来た。
姑は夫が転職した事を知っていた。
姑「やっぱり大会社は見る目あるわ~!息子のエエ所を見抜いてくれたんやわ~」
お前の息子は面接即不採用やったんじゃ!と腹の中で叫んだ。
姑は延々と自分の息子の優秀さを語り、優秀な息子に食わせて貰って感謝しろとまで言い出した。
私はたまらずに夫の面接時の履歴書の事や、父が口添えしてくれた事も話した。
すると姑は激怒して怒鳴った。
姑「ただの出入り業者のくせに!!そんな力がある訳ないやろ!!」
舅も姑も公務員だったので、姑が言うには『ただの出入り業者』が人事に口が出せる筈が無いと言う。
当時の会社の会長と父は、まだその会社が一般の小売店であった頃からの友達で、いわば『兄弟分』と笑い合う仲。
当時の社長が子供の頃には肩車をして遊んでやった付き合いだったのだ。
その事をザックリと説明すると、
姑「ふんっ!これやから民間は!!!」
と言って電話を切った。
姑は官公庁などの公務員以外全てを『民間』と呼び、当時電話帳に記載する際にも舅の名前の後ろに『(公務員)』と記入するよう申請するほど、公務員は特別な選ばれた人間なんだとのプライドを持っていた。
テレビのニュースで不景気にも関わらず公務員の賃金の高さが報道されていると、
姑「悔しかったら公務員試験に受かってみろ! こっちは試験に受かって選ばれたもんなんやから!」
と画面に向かって笑いながら叫んでいた。
しかし、何はともあれ夫が転職して「辞めたい辞めたい」を言わなくなったのは救いだった。
続く
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