原因は? 症状は? 悩む人の9割は女性「手指の痛み・しびれ」の基礎知識

50歳ころを境に、手の痛みやしびれ、こわばりなどを訴える女性が多くなります。「年だから」と放置していると、指の変形につながることもあります。そこで、国内でも珍しい「へバーデン結節外来」を掲げ、日々、手指のトラブルに悩む人の悩みを解決している、富永ペインクリニック 院長の富永喜代先生に、「手指の痛み・しびれ」の基礎知識を教えてもらいました。

pixta_56275578_S.jpg

手指の病気の9割は女性。早めの対策で予防・改善を

「指先の激痛やしびれ、変形など、手指の病気で悩む人の9割は女性です。しかし、残念ながら多くは原因が分からず、対策や治療法も確立していないのが現状です」と、富永喜代先生。

手指の不調の原因の一つは、加齢による〝女性ホルモンの減少〟

実際、更年期以降の女性には、不快な症状を訴える人が多いものです。

二つ目は、手や指先の神経の起点である〝首の不調〟

三つ目が〝血流の悪化〟と考えられます。

特に冬場は痛みやしびれが起こりやすい季節。

どんな対策が必要でしょう?

「寒さや水仕事で手を冷やしがちな人や、日頃から指を酷使している人は注意が必要です。手を温める、休ませるなどを意識してください」(富永先生)。
日常の中で、手指の負担を軽減する工夫も心がけましょう。

こんな症状、我慢していませんか?

□ 毎朝、手がこわばる
□ ペットボトルのフタが開けられない
□ ボタンをはめたり、外したりするときに指が痛む
□ 包丁で野菜を切るとき、痛くて力が入れられない
□ 洗濯物を干すとき、洗濯ばさみがつまみにくい
□ 指先の冷えが以前よりも
□ 気になるようになってきた
□ 整形外科を受診したら「リウマチではない」と言われた          ↓

当てはまることがあったら、手や指の病気が進んでいます。

2001p054_01.jpg

手や指に痛みやしびれが起こりやすい人は?

●更年期以降の女性

●自己免疫疾患がある人

関節リウマチなどの自己免疫疾患がある場合、手や指に痛みやこわばり、しびれ、変形などが起こることがあります。

●糖尿病の人

糖尿病による高血糖状態を放置すると、神経障害の一つとして、指先のしびれや痛み、感覚が鈍るといった症状が現れます。

●脳梗塞の疑いのある人

急に手がしびれる場合は要注意。さらに、めまいやふらつき、歩きにくさなどを伴う場合は、脳梗塞が疑われます。

●妊娠中や出産期の女性

●手や指をよく使う人

以下は手の負担が重い作業の一例です。

気付いたら、手を休める、負担が軽くなるよう工夫をしましょう。

「手指を痛めやすい作業/手の負担を軽減する工夫」

包丁で食材を切るピーラーを使う。カット済み食材を使う。
フライパンで食材をあおる(炒めるとき)炒め物をするときは、へらでまんべんなく混ぜ炒めする。煮物や蒸し料理、オーブン料理などに調理法を変える。
高い位置の物干し竿に洗濯物を干す肩よりも低い位置で洗濯物を干し、最後にハンガーごと竿につるす(腕を肩より高く上げる動作を減らす)。
掃除機をかける軽量タイプの掃除機を使う。粘着クリーナーで掃除を行う。
食材などの買い物スーパーではカゴを持たず、カートを使う。まとめ買いをせず、こまめに買い物に行く。まとめ買いするときは、配送サービスを利用する。
長時間パソコンを使う軽めの強さで文字の入力をする。キーボードをたたく音が大きくなってきたと感じたら休憩する。

手や指に痛みやしびれが起こる原因は?

女性ホルモンの減少

加齢により女性ホルモンの一つ・エストロゲンが急激に減ると「指の血管が収縮して血流が悪くなる」「指の骨の強度が落ちる」「指の関節の靭帯や腱が動きにくくなる」などが起こりやすくなります。

首の不調

手や指先の神経の起点は首にあります。

「慢性的な肩こり・首こり」「ストレートネック」などの人は、頸椎部分で神経が圧迫され、血液の流れが悪くなり、手指の症状の悪化につながります。

血流の悪化

冷えは痛みを悪化させます。特に「首」「手首」「指の股」は、常に温めるよう意識してほしい部位。

日頃から手指の冷えを防ぎ、首、手首、指の股を中心に温める習慣を心がけましょう。

取材・文/笑(寳田真由美)

こちらもぜひご一読を。いつのまにか増えている顔や首の『いぼ』の記事一覧はこちら

 

<教えてくれた人>

富永喜代(とみなが・きよ)先生

富永ペインクリニック院長。 医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。1993年より、聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、延べ2万人を超える臨床麻酔実績を持つ。2008年、クリニックを開院。

81UPfcjCy1L.jpg

『指先の激痛・腫れ・しびれ ヘバーデン結節は自分で直せる!』

富永喜代/永岡書店)1,200円+税

日本初のへバーデン結節外来を開設した痛み治療の名医が考案し、大きな治療効果を上げているセルフケア方「10秒神経マッサージ」を紹介。痛みの撃退法はもちろん、さまざまな予防・改善法まで詰まった一冊。

この記事は『毎日が発見』2020年1月号に掲載の情報です。
PAGE TOP