肩こり、膝痛、便秘、どうにかしたい・・・。あなたの体の不調、根本的な原因は「内臓の冷え」にあるかもしれません。体の中の温度である「内臓温度」が1℃下がれば体の免疫力が激減するという、冷え性対策の第一人者・山口勝利さんは、「まずは内臓を温めることが重要」だと説きます。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)にも出演した冷えの専門家・山口さんの著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)から、体を隅々までぽかぽかになる「究極の冷え症改善法」をお届けします。
寝つきをよくしたいならなるべく靴下ははかない方がいい
足が冷たくて眠れない。そんな夜、ぐっすり眠るために、靴下を重ねばきしたりタイツの上から靴下をはいたりする人がいます。
この習慣には、内臓を冷やす原因が2つもあります。
1つは、重ねばきやタイツの上から靴下をはいたりすることで足を締めつけてしまうことです。血管が圧迫され、その部分の血液の流れが悪くなってしまい、それが内臓温度の低下につながります。
もう1つは素材による静電気です。化学繊維でできている靴下を重ねると、その間で摩擦が生じて静電気が起きます。静電気が自律神経に悪影響を与えるといっている人もいます。
これにはいろいろな意見もありますが、注意するにこしたことはないでしょう。
そもそも靴下を重ねばきをしたりタイツをはいたりしたまま眠ると、ぐっすり眠るどころか、寝つきが悪くなる危険性があります。
内臓温度は、朝目覚めるころから上昇をはじめ、日中の覚醒時は高い温度を保って体の活動を維持しています。そして、夕方にピークを迎えると、そのあとは、夜にかけて下がりはじめるという機能が備わっています。
これは、昼間フルに活動して疲れた脳と体がオーバーヒートしないようにするために脳のメカニズムを、休ませるためのものです。ですから、人間の脳には、内臓温度が下がると眠くなるという性質があります。そのため、眠気を引き起こすためには、内臓温度を下げる必要性があるのです。
そして、私たちの体の中でもっとも熱を逃がしやすい部位が手足であり、熱の放散が正しく行われていると手足がほんのりと温かくなります。
ぜひ、眠くなったとき、自分の手足を触ってみてください。きっといつもよりも温く感じるはずです。
ですが、靴下を重ねばきしていると、うまく熱が放散されません。逆に熱がこもってしまい内臓温度が下がりにくくなるのです。
だったら寝るときに足を冷やせば眠れるのかといえばそうではありません。あまりにも急激に冷やすと、自律神経が乱れてしまい、うまく眠ることができなくなるので、注意してください。あくまで自然に内臓温度を下げることが重要なのです。
足首の関節がうまく曲げられなければ内臓温度が低い可能性アリ!
風を防ぎ暖かさ抜群、ということで、ブーツばかりはいていると、冷たくなる足を守っているつもりが、実は内臓温度を下げることになります。
ブーツをはいたときに足がむくんで、夕方になるとファスナーが上がらなくなるという経験はないでしょうか。それは内臓温度が下がっているサインです。
ブーツは、足首と足の指を長時間固定してしまうことで、底背屈運動といわれる足首の曲げ伸ばしがあまりできなくなります。そのため足首が硬くなり、足先までの血流が悪くなります。それが全身の血流の悪化につながり結果、内臓温度が下がってしまうのです。
冬になるとブーツをはくことが多いという人は、足を伸ばして座った姿勢から足先が90度上を向くぐらい曲げられるかどうかを確認してください。
できないときは、血流が悪く、内臓温度が低い可能性があります。
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