肩こり、膝痛、便秘、どうにかしたい・・・。あなたの体の不調、根本的な原因は「内臓の冷え」にあるかもしれません。体の中の温度である「内臓温度」が1℃下がれば体の免疫力が激減するという、冷え性対策の第一人者・山口勝利さんは、「まずは内臓を温めることが重要」だと説きます。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)にも出演した冷えの専門家・山口さんの著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)から、体を隅々までぽかぽかになる「究極の冷え症改善法」をお届けします。
知らず知らず行っている内臓を冷やす3つの生活習慣
手足が冷たい「冷え症」の人はもちろん、そのような冷えの自覚がない6割の人も内臓が冷えているといわれます。
それだけ多くの人が内臓を冷やしてしまう原因は、私たちの日常の生活習慣にあります。
しかも、内臓を冷やしてしまう生活習慣の中には、体を温める、健康にいいといわれているものが、実は内臓温度を冷やしているということもあるようです。
それでなくても、内臓温度の低下は実感しにくいために、自分の生活習慣や行動が悪影響を及ぼしていることに気づかないまま、過ごしてしまうことがよくあります。
健康にいい、体を温めると思っているのなら、なおさらだと思います。内臓温度を低下させる生活習慣は、大きく分けると3つあります。
1つは、体の中から冷やす食習慣です。冷たい食べ物や飲み物、体を冷やすといわれる食材が体の中に入ってくると、内臓を直接冷やしてしまうことになります。
2つ目は、血流を悪くする生活習慣です。暴飲暴食をしたり、血管を圧迫する衣服などを着続けたり、姿勢が悪かったり、さまざまなことで血流は悪くなります。
私たちの体の中の温度が、常に一定に保たれているのは、血液が体のすみずみまで流れているおかげです。
理想の内臓温度(37・2℃~38℃)を保つために、体の中でつくられた熱エネルギーが血流にのって体のすみずみまで運ばれています。
そのため、血流が悪くなると、熱エネルギーがうまく運ばれなくなるため、少しずつ内臓温度を下げていくことになるのです。
現代人に急増中!体温は正常なのに内臓が冷える「隠れ冷え」
最後の1つは、自律神経を乱れさせる生活習慣です。人間の心臓や腸、胃、血管などの臓器は、「交感神経」と「副交感神経」という2つの自律神経によってコントロールされています。
交感神経は日中、仕事や家事など活動をしているときに活発にはたらきます。一方、副交感神経は、休息やリラックスをしているとき、特に眠っているときに活発にはたらいてくれます。
この2つの神経が、時に交感神経が活発にはたらき体を活動的にしたり、時に副交感神経が活発にはたらき体を休めたりとバランスよくはたらくことによって健康は保たれています。
しかし、自律神経は、ストレス、生活リズムなどにより、そのバランスが乱れてしまうことがあります。
たとえば、副交感神経が活発にはたらかず、体の疲れがとれなかったり、交感神経が活発にはたらかずやる気が出なかったりと、さまざまな不具合が生じてしまいます。
この自律神経の乱れが原因で増えているのが、「隠れ冷え」。体温は高いのに、内臓温度が低い人たちのことです。
私たちの体は体温を一定に保つために、暑いときは体の表面に近い細い血管を大きく広げて、血液を多く流し、熱を効率的に手足など体の表面から逃がそうとします。
逆に、寒いときには、内臓の温度を下げないために、血管を収縮させて、流れる血液を減らすことにより、できるだけ熱が外へ逃げないようにします。
この血管を拡張したり、収縮したりするのを自律神経がつかさどっているのです。
しかし、自律神経が乱れ、そのはたらきがうまくいかなくなると、寒いときでも、血管が収縮しなくなってしまうのです。
結果、熱が手足など、体の表面からどんどん逃げていき、内臓温度は下がる一方、熱が出ていっている体の表面は温かいという現象が起きます。
体がほてっていたり汗もかきやすかったりするので、まさか自分の内臓が冷えているとは思いません。そうして知らず知らずのうちに、内臓を冷やすことになってしまうのです。
著者考案のストレッチをはじめ、内臓温度と健康の関係や体の温め方が6章にわたって解説。血の流れを良くする20の「ヒハツ」レシピも