現代人は、人生の半分の時間を「座っている」ことをご存知でしょうか?そして、この座る時間が「肩こり」や「腰痛」など体の不調につながっているとされています。そこで、約15万人の施術経験を持つカイロプラクティック健康科学士・木津直昭さんの著書『肩こり・腰痛が消えて仕事がはかどる 究極の座り方』(文響社)から、ダメな座り方が体に与える影響と負担を軽減させる座り方を連載形式でお届けします。
運転時の座り姿勢は、シートの角度が決めて
車に乗ると首や肩が凝る、という方は少なくありません。これは、車のシートの形状とヘッドレストが影響していることが多いのです。ちょっとした環境整備によって体の不調を予防できる典型的なケースです。
運転する際、特に座高の低い女性は肩に力が入りがちになります。座席の前の方に座り、ハンドルを抱きかかえるようにしている人は、肩に力が入って運転後に頑固な肩こりに襲われる可能性が高いのです。高速道路などでスピードを出すと、自然にハンドルを持つ手や腕には力が入りますから、なおさらです。
また、男性で多いのが下の写真のようにシートにもたれかかった運転姿勢です。
この姿勢だと、ヘッドレストの位置によっては首に負荷をかけることになり、首から肩にかけての痛みやこりの原因となります(写真のようにシートにもたれるようにすると、頭にヘッドレストが当たってうなずくような姿勢になり、ストレートネックの状態で、肩こりや首こりの原因になるのです)。
先日、車を買い替えたあとに首に強い凝りを発症させた患者さんが来院されました。
シートの角度を聞いてみると、まさに前出の写真のようにもたれかかって運転する状態になっていることがわかりました。すぐにシートの角度を調節し、背筋を伸ばせるようにしてもらうと、症状はすぐに収まったのです。
シートは、下の写真のように、角度が九五度ぐらいになるように調整します。ヘッドレストが頭に当たり首が苦しいと感じるようであれば、写真にもあるように首部分にタオルなどを巻いて首まくらとして使用するのが良いと思います。
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5章にわたって、原因から実践、予防法まで、あらゆる場面の「座り方」をイラスト・写真付きで分かりやすく解説しています