仕事に家事にと頑張って、倒れるように眠る毎日。朝起きると疲れは取れていないし、集中力もすぐ切れてしまう...。それ、全て「眠り方」に問題があるかもしれません。そこで、メンタルヘルスと睡眠の専門家・和田隆さんの著書『仕事のストレスをなくす睡眠の教科書』(方丈社)から、心身ともに健康を保つための「ストレス解消睡眠法」について連載形式でお届けします。
ウェブで睡眠状態を簡易診断してみる
その人にとって必要な睡眠時間には個人差があり、一律に何時間眠れば十分というものではありません。
自分の睡眠状態が気になる人は、国立精神・神経医療研究センターなどが作成した「睡眠医療プラットフォーム」というウェブサイトで、簡易的なセルフチェックをしてみることをおすすめします。
このウェブサイトの「睡眠障害セルフチェック」では、簡単な質問に答えるだけで睡眠障害があるのかどうかがわかります。さらに詳しく知りたい人は、ID登録をすれば詳細な診断も可能です。
いきなり睡眠外来や心療内科などに行って診察を受けると、すぐに薬を処方されてしまうのを心配する人は少なくありません。その前にこのようなセルフチェックをして、それでも「ちょっと心配だ」と感じたら専門の医療機関で診察してもらうという方法もあります。
睡眠の専門医師がいる医療機関を探すには、日本睡眠学会のホームページにある「睡眠医療認定一覧」を利用すれば、自宅や職場の近くの睡眠専門の医療機関を探すことができるので便利です。
朝型タイプか夜型タイプかを知る
最近は出社前に英会話教室に通ったり、資格取得の勉強をしたり、自分磨きに熱心な人が増えています。こうした朝活ブームとともに、ビジネス誌などで朝型人間に切り替える方法を紹介している記事を見かけることも少なくありません。
しかし、人には大きく朝型・中間型・夜型の3タイプがあり、さらに朝型・夜型にはそれぞれ超朝型・超夜型があります。
国立精神・神経医療研究センターが1170人に対して実施した調査では、超朝型5・9%、朝型22・0%、中間型41・0%、夜型22・7%、超夜型8・4%となっており、朝型タイプは3割弱にとどまっています。
朝型タイプの人は朝になると自然と目覚め、体温が上昇し活動の準備が整う人です。
一方、夜型タイプの人は、体温が上昇するまで時間がかかるのが特徴です。朝型か夜型かは遺伝子的に決まっていると言われています。
7割の人は中間型、あるいは夜型、超夜型で、いくら朝活ブームだからと言って朝型タイプに切り替えようとすれば、当然どこかに無理を強いることになり、かえってその日の日中の活動に支障をきたしかねません。
自分が超朝型・朝型・中間型・夜型・超夜型のどのタイプなのかを知りたい人は、前述した「睡眠医療プラットフォーム」の「簡易睡眠診断」に「朝型/夜型診断」がありますので、セルフチェックをしてみるとよいでしょう。
要は、朝に活動したほうがよいか、夜に活動したほうがよいかではなく、自分が最もよいパフォーマンスを発揮できるのは一日のうちどの時間帯なのかを把握しておくことが重要です。
組織に属して働いている人は、中心となる業務時間が決まっているので、勝手に働く時間帯を変えることはできません。しかし、夜型タイプの人が朝活が流行っているからと言って、無理に早く起きて自分磨きをしてもパフォーマンスはよくないでしょうし、寝不足で本来の業務時間に支障をきたすようなことがあっては本末転倒です。自分磨きをするなら、自分のタイプに合った時間帯にしたほうがよいと思います。
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