年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
ベッドでくつろぎながら肩・背中・腰をリリース
【ながらシチュエーション:寝る前(1)】
筋肉の部位
・ローテーターカフ(肩甲骨周囲)
・広背筋(背中)
・脊柱起立筋(背中から腰)
ここに効く
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
・睡眠導入がしやすい
・肩こり、腰痛予防・痛みの緩和
お風呂にも入り、あとは寝るだけ。そこでオススメなのが、布団やベッドでできる筋膜リリースです。
まずは背中のリリースから。四つん這いの姿勢になり、腰を後ろに引いていきましょう。肩甲骨から背中の中心が伸びていきます。さらに背中を丸めると、腰も伸びます。上半身の背面が全体的に伸びるので、精神的な安定も得られ、心身ともにリラックスします。そのまま就寝すれば安眠も。さらに良質な睡眠を取りたいならば、視神経(第2脳神経)を刺激しないようにお風呂から出たあとはスマホなどを見ないほうがいいでしょう。
1.四つん這いの姿勢をとる
手を肩幅に開いて床につき、四つん這いの姿勢をとります。手と足の距離が近いとリリース効果が薄くなるので注意。
2.腰を後ろに引いていく
お尻をかかとに近づけるイメージで、腕を残したまま腰を後ろに引きます。
肩甲骨周囲の筋肉、広背筋が伸びます。
3.背中を丸める
後ろに腰を引いたまま、背中を丸めましょう。背中から腰の下にかけて伸ばしていきます。
4.前に戻りつつさらに背中を丸める
後ろにあった腰の位置を前に戻しながら、さらに背中を丸めていきましょう。背中から肩甲骨が強くリリースされます。
リリースPONT:肩甲骨周囲の筋肉や背中をより効率的にリリースする方法
2で腰を後ろに引きながら、A 、B 2 つの方法を加えると肩甲骨周囲や背中をより効率的にリリースできます。可能であれば、2 つともチャレンジしてみましょう。
ベッドでくつろぎながら首をリリース
【ながらシチュエーション:寝る前(2)】
筋肉の部位
・頭・頚板状筋(首の後面)
ここに効く
・寝違い、ぎっくり首予防・痛みの緩和
・首、肩こり、腰痛予防・痛みの緩和
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
・顎関節症候群の予防
突然ですが皆さん、首を左右にまわしてみてください。ほとんどの人は、どちらかにまわしにくさを感じると思います。首をまわしにくいのは、頭から首、首から背骨にくっついている筋肉が固まっている証拠。そんなときは筋膜リリースで筋肉をゆるめてあげましょう。
方法はとてもカンタン。布団やベッドの上でうつぶせになり、首を横に向けるだけです。頭の重みで、自然と首の後ろや横の筋肉が伸びていきます。しばらくじっとして首まわりが伸びるのを感じましょう。首のこりが予防・緩和され、首や肩、背中の筋肉のバランスが整います。反対向きでも行いましょう。
1.顔を下に向けうつぶせになる
ベッドや布団の上でうつぶせになりましょう。顔、手のひらは下に向け、身体の力を抜きます。
2.横を向き頬骨をベッドにあてる
うつぶせになったまま、横を向き、頬骨をベッドにあてましょう。首の後ろや横に伸びを感じながら姿勢をキープします。
3.顔があたる位置を変える
顔がベッドにあたる位置を頬骨よりも耳よりの位置になるようにより、深くまわします。首まわりの伸びをより強く感じたらOK。反対側も同様に行います。
リリースPOINT:顔のつく位置を少しずつずらす
うつぶせになったとき、頬骨から耳の間で、顔をあてる位置を徐々にずらしていきましょう。またそれに加えて顎を上げたり下げたりして角度を変えると、さらに負荷がかかり、効果が高まります。
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