誰でもかかる可能性アリ!知っておきたい「リウマチ」の基礎知識

患者の8割が女性で、誰でもかかる可能性がある「リウマチ」。聞いたことがある病名だと思いますが、どのような特徴や治療法があるのでしょうか? そこで、慶應義塾大学医学部 リウマチ膠原病内科 助教の仁科直先生に知っておきたいポイントをお聞きしました。

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リウマチ発症の原因は特定されていない

「リウマチ」は、手足や指の関節に炎症が起き、腫れや痛み、関節の変形などを伴う病気です。患者の8割が女性で、40~50歳代に多く発症しますが、高齢になってから発症するケースもあります。

炎症の原因は、「免疫」の異常です。免疫は本来、ウイルスや細菌などの外敵を攻撃して体内から排除する仕組みですが、この仕組みが異常を来して自分の関節を攻撃するようになると、関節に炎症が発生します。異常が起こるきっかけは解明されておらず、誰でもかかる可能性がありますが、喫煙習慣がある人や、肥満の人は、やや免疫異常を起こしやすい傾向があります。

リウマチの進行は手足の関節の変形を招くため、症状が悪化すると日常的な動作が困難になり、かつては寝たきりになるケースも多い病気でした。現在は薬物治療の進歩により、腫れや痛みを和らげ、関節の変形を防げるようになりました。早期に治療を開始すれば、薬で症状を抑えながら、発症前と変わらない生活を送れる可能性が高くなっています。

 
リウマチ治療の基本は「薬物治療」

リウマチの治療には、従来、関節の炎症や破壊を抑える「メトトレキサート」などの抗リウマチ薬が使われてきました。近年はそれに加えて「分子標的型合成抗リウマチ薬」や「生物学制することで関節の炎症を改善する薬です。服用中は風邪やヘルペスなどの感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。

また、すでに変形してしまった関節を薬物治療で回復させることはできません。変形による腫れや痛み、関節の機能の低下などが著しい場合は、手術での改善が検討されます。特に肩やひじ、ひざの関節、股関節などが変形し日常動作に大きく支障を来した場合は、関節を人工関節に置き換える手術によって、関節の機能を回復させることができます。

リウマチは、発症すると完治することがほとんどない病気です。しかし適切な薬物治療によって症状をコントロールすれば、ストレスなく日常生活を送ることができます。

関節に痛みや腫れ、違和感などがある場合は、早めに内科か整形外科で医師の診断を受けてください。


【まとめ】

■リウマチの特徴
・関節の炎症によって腫れや痛みが引き起こされ、進行すると関節の変形を招く
・生活習慣や体質にかかわらず、誰でもかかる可能性がある

■リウマチの治療のポイント
・薬物治療で病気の進行を抑え、関節の変形を防ぐ
・関節の変形が著しい場合は、手術による改善も検討する

肺MAC症など、知っておきたい「持病対策」記事はこちら!

 
取材・文/高橋星羽(デコ)

 

<教えてくれた人>

仁科 直(にしな・なおし)先生

慶應義塾大学医学部リウマチ膠原病内科助教。慶應義塾大学卒業。慶應義塾大学大学院単位取得退学後、学位取得。医学博士。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医。日本リウマチ学会専門医。2016年より現職。専門は関節リウマチおよび膠原病一般。

この記事は『毎日が発見』2019年6月号に掲載の情報です。

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