腰痛、ひざ痛、肩こり・・・。それらの痛みや不調の原因は「関節のかたさ」にあるかもしれません。かたくなってしまった関節の怖さとセルフチェックにくわえ、関節をゆるめ、元気な体を取り戻す「ゆる関節ストレッチ」を連載形式でお届け!姿勢と関節のプロが考案した「1日1分、2週間で体が柔らかくなるストレッチ」のエッセンスに触れてください。
※この記事は『1日1分! ゆる関節ストレッチ』(渡部龍哉著、関由佳監修/アスコム)からの抜粋です。
前の記事「3つのポーズで診断!あなたの関節「ガチガチ度」セルフチェック/ゆる関節ストレッチ(2)」はこちら。
「ゆる関節ストレッチ」の基本は「はいはい」ポーズ
生活習慣や加齢でガチガチになった関節をゆるめる「ゆる関節ストレッチ」。
その基本姿勢は、「はいはい」です。はいはいポーズから体を動かして、股関節や背骨、胸郭をゆるめていきます。
「はいはい」は、ご存じの通り、赤ちゃんが立って歩きはじめる前の移動手段。記憶に残っている人はほとんどいないと思いますが、誰もが経験してきた姿勢です。
「ゆる関節ストレッチ」がはいはいポーズを基本姿勢にするのは、両手、両足で体を支えることで、安全に体を動かせるからです。
自分の体重以上の負荷がかかることもなければ、ふらついて転んだりするリスクも小さくなります。また、上半身と下半身を連動させて動かすことになるので、効率よく関節を動かすことができるのです。
はいはいポーズをとれる広さがあれば、どこでもできるので、畳一畳分のスペースがあれば十分。居間でも、寝室でもどこでも取り組めます。
では、以下を参考に実施してみてください。
■基本の動作
1日1分「ゆる関節ストレッチ」の基本は「はいはい」ポーズ。このポーズで背中を丸めたり、反らしたり、ひねったりすることで、ガチガチ関節がどんどんやわらかくなります。
【1】はいはいポーズを作る
ゆる関節ストレッチは、すべて「はいはい」ポーズが基本です。まずは、正しい「はいはい」の形をつくることからはじめましょう。
OKポーズはコチラ!下の画像でポイントを押さえて実施してみてください。
一方のNGポーズ。ポイントを解説しているので、チェックしてください。
■手のつき方
指は軽く開き、人差し指が正面を向くようにつきます。
このようになるとNGです。
中指が正面を向くようにつくと、手首がつまりやすくなったり、肩甲骨が不安定になります。
◎手首が痛い場合は......
丸めたタオルを置いて、その上に手をついてもかまいません。
【2】背骨を丸める
はいはいポーズから背骨を丸めて、かたくなっている背骨と胸郭を前後にほぐしていきます。
1. はいはいポーズで、息を吐きながら、みぞおちを内側に引き込むように4秒かけて背骨をゆっくり丸めます。背骨を丸めた姿勢を2秒キープしたら、はいはいポーズに戻ります。3回繰り返します。
↓
2. 息を吐きながら4秒かけて背骨をゆっくり丸める
この姿勢を2秒キープ
こちらはNGポーズ
頭から動かすのではなく、みぞおちから押し上げるように。
↓
3. 1~2を3回繰り返す
【3】背骨を反らす
はいはいポーズから背骨を反らして、かたくなっている背骨と胸郭を前後にほぐしていきます。
1. はいはいポーズで、息を吸いながら、4秒かけて背骨をゆっくり反らします。背骨を反らした姿勢を2秒キープしたら、はいはいポーズに戻ります。3回繰り返します。
↓
2. 息を吸いながら4秒かけて背骨をゆっくり反らす
この姿勢を2秒キープ
こちらはNGポーズ
頭から動かすのではなく、みぞおちから反らすように。
↓
3. 1~2を3回繰り返す
いかがですか?
「ゆる関節ストレッチ」は毎日やることが基本です。
1日1分、準備運動を含めても2分強くらいなので、毎日の生活のどこかに取り入れるのは難しくないと思います。食後すぐは避けた方がよいですが、それ以外なら、朝起きたとき、お風呂に入る前など、どの時間帯に行ってもかまいません。
習慣にするには少し時間がかかるかもしれませんが、タイミングを決めて、毎日やることを続けてみましょう。
ただし、安全で簡単な運動とはいえ、無理は禁物。
ストレッチの途中で体に痛みや違和感があったら、すぐに中止してください。また、体調が悪いときは、ストレッチをお休みしましょう。
手首やひざなどに痛みがある方は、必ず医師に相談してからストレッチをはじめるようにしてください。無理に動かしてしまうと、症状が悪化する可能性もあります。
「ゆる関節ストレッチ」の効果は、2週間ほどで体感できるはずです。
誰でもできる簡単なものなので、ぜひ今日から始めてみてください。 最初は、1分にこだわらず、ゆっくり丁寧な動作を意識しながら、体を動かしましょう。数日して、関節がやわらかくなってくると、「体って、こんなにラクに動かせるんだ」ということを実感できるようになります。
みなさんの関節は、もともとは「やわらか関節」だったはず。「ゆる関節ストレッチ」を続けて、やわらかく元気な体を取り戻しましょう。
書籍では基本動作の前に行って効果を高める「準備運動」や、手首やひざの痛みで「はいはいポーズ」が難しい人向けに、イスに座ったり床に寝たままでできる「ゆる関節ストレッチ」も紹介