ダイエットに挑戦したけど、1カ月で挫折した・・・。そんな経験ありませんか?実はそれ、「味覚」のせいかもしれません。そこで、ダイエット外来で10万人の患者と接してきた医師・工藤孝文先生が提唱するのが「デブ味覚」を「やせ味覚」にするため、1日1杯「やせる出汁」を飲むダイエットです。その理由や方法を、話題の書籍より5回にわたってご紹介します。
※この記事は『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(工藤孝文/アスコム)からの抜粋です。
前の記事:今すぐセルフチェック!ダイエット挫折の根源「デブ味覚」とは?/やせる出汁(1)はこちら
太っている人は、第6の味覚「脂肪味」が感じられない
まずは、デブ味覚の元凶、こってり味と甘味についてご説明しましょう。
太っている人は、こってり味が好き。多くの人が抱いているイメージが、近年、データでも証明されました。神奈川工科大学大学院の研究では、BMI(体格指数)や体脂肪率の高い人ほど「家庭の味つけは外食と比べて濃くなる」傾向にあり、「麺類のスープ・汁を飲む量」も増える傾向にあることがわかりました。
また、体脂肪率が上がるにつれて、「ビタミンなどの多くの栄養素の摂取量」が減って「コレステロールの高いものを好む」など、栄養バランスに偏りが生じがちだという結果も出ています。
さらに興味深いのは、体脂肪率が上昇するにつれ、「うま味の味覚感受性が低くなる傾向が見られた」という点です。肥満傾向にある人は、出汁のうま味を感じにくい「デブ味覚」の持ち主である可能性が高いことがわかったのです。
さらに、太っている人ほど「デブ味覚」であることを裏づける報告があります。
最近の研究で、脂肪にも味があることがわかってきました。「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」を基本五味といいますが、「脂肪味」が第6の味覚として認められ始めています。
脂肪味の代表的なものは、脂肪を多く含む加工肉、チョコレート菓子、ケーキ、ドーナツ、フライドポテトなど。中毒性の高い食べ物ばかりが並びますが、これらの高脂肪食を食べ続けていると、脂肪味を感じにくくなるという報告があります。つまり、「デブ味覚」の状態になってしまうのです。
脂肪味に敏感な人は少量で満足できるので、脂肪の摂取量が減り太りにくく、脂肪味に鈍感なデブ味覚になると脂肪の摂取量が増え、当然の結果として、肥満になるのです。
高脂肪食は脳の報酬系システムを活性化させるため、アルコールやタバコよりも依存性が高いといわれます。
意思の力でやめることは難しいからこそ、舌から変えていく必要があるのです。
次の記事「2週間でデブ味覚をやせ味覚へ!「やせる出汁」の魅力/やせる出汁(3) 」はこちら。
30人の実践データや、やせる出汁の15のアレンジレシピなどが満載です